離調周波数400メガヘルツ型と出力100W型のKu帯衛星通信地球局用GaN HEMT

三菱電機のKu帯 衛星通信地球局用GaN HEMT

　三菱電機は、Ku帯衛星通信（SATCOM）地球局の電力増幅器に使用される高周波デバイス「Ku帯 衛星通信地球局用GaN HEMT」の新製品として、マルチキャリア通信に対応した業界トップの離調周波数400メガヘルツを実現した1機種と業界トップの高出力電力100Wを実現した1機種の合計2機種を20年1月15日に発売する。これにより、情報伝送量の大容量化と衛星通信地球局の小型化を推進できる。

　災害時の通信の確保や地上通信網の整備が地理的に難しい地域での通信手段として、高速通信が可能なKu帯などを利用した衛星通信や、SNGなどの大容量通信の利用が拡大している。情報伝送量の大容量化・高速化に向けてマルチキャリア通信へのニーズがさらに高まっている。

　今回の製品は、新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）の委託研究の成果の一部を活用した。

　マルチキャリア通信に対応した低歪特性を実現する整合回路により、従来比80倍で業界トップの離調周波数400メガヘルツを実現。また、広い離調周波数における2波信号入力時の歪特性を低く抑制することで、マルチキャリア通信における衛星通信の情報伝送量の大容量化に貢献する。

　低歪特性を実現する整合回路とトランジスタ構造の最適化により、業界トップの出力電力100Wを実現。さらに電力増幅器の部品点数を削減し、衛星通信地球局の小型化に貢献する。

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