8K内視鏡システムにも採用された4K/8K映像機器向けコネクタ

8K内視鏡システムでの光複合コネクタの採用例を紹介

　多治見無線電機（東京都渋谷区）は、4K／8K映像機器向けコネクタの製品ラインアップ拡充と積極的な拡販活動を展開している。同社は先頃開催された「CEATEC2019」（千葉市美浜区・幕張メッセ）で、放送／医療用8Kコネクタ（光複合コネクタ）の世界初となる8K内視鏡システムでの採用事例を紹介し、注目を集めた。

　同社は4K／8K用コネクタとして、放送／映像用4Kコネクタの12G-SDI　BNCコネクタや、放送／医療用8Kコネクタの光複合コネクタ（光24心／電気6極）などを展開している。

　CEATECでは、医療系ベンチャーのカイロス社（東京都港区）が開発・販売開始している8K内視鏡システム「KairoScope-E」で採用された光複合コネクタ「MTEX01シリーズ」（光24心／電気6極）を、同内視鏡システムと合わせて展示・紹介した。

　MTEXシリーズは、放送分野での実績や技術、ノウハウなどを結集して開発した8K高精細用伝送コネクタ。

　光24心（10Gリンク伝送可能）＋電気6極（電源供給も可能）を同時に伝送でき、屋外でも使用可能な耐環境型の光複合コネクタで、昨年発売した「MTEX01シリーズ」（バヨネット方式）と「MTEX02シリーズ」（ワンタッチロック方式）に改善改良を加え、量産化を開始している。「今後は、MTEXシリーズの技術を活用し、将来の8K放送機器の機器間接続用コネクタとしても提案していく」（同社）方針。

　放送／映像用4Kコネクタは、12G-SDI用の防水形BNCコネクタとして、「B12Gシリーズ」を展開している。同シリーズは、従来のBNCコネクタとの完全互換性・操作性・結線作業性を維持したまま、同社独自の防水構造で屋外でも使用が可能。気密構造によって、さびなどを防止する。昨年販売開始した「5・5C-UHD」に加え、柔軟性に優れ、扱いやすく、引き回しに最適な「3C」および「5C」用をラインアップする。

　避雷用コネクタは、アンテナなどの同軸供給線への雷による誘導雷対策として、N形タイプをラインアップしている。ほかのコネクタでも製作できる。

　CEATECではこのほか、IoT関連コネクタのセンサー用小型コネクタ（防水・気密・高温など）、次世代高速通信規格5G関連コネクタの超高周波同軸コネクタ（65ギガヘルツまで対応）など多彩な製品を紹介した。
　カイロスは、8Kスーパーハイビジョンの映像技術を応用した内視鏡や顕微鏡を製品化するため16年2月に設立され、17年9月には、世界に先駆けて8K硬性内視鏡カメラの製品化に成功し、販売を開始した。

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