電波プロダクトニュース



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3月8日 190308_01 広島大学とNICT 半導体集積回路 汎用リニアIC 一般産業用

300GHz帯を使い、データ伝送毎秒80Gビットを達成した1チップトランシーバ


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 広島大学、情報通信研究機構(NICT)、パナソニックは共同で、シリコンCMOS集積回路により300GHz帯を用いて毎秒80Gビットのデータ伝送を可能にするワンチップトランシーバの開発に世界で初めて成功した。従来に比べてデータ伝送速度を大幅に向上させるとともに、実用化に必須の「ワンチップ化」を達成したことで、300GHz帯無線通信の実用化がより近付いた。

 テラヘルツ帯は、これからの高速無線通信への利用が期待されている新しい周波数資源。17年には無線通信規格IEEE Std 802.15.3dにより、252G−325GHzの周波数帯域のチャンネル割り当てが示された。

 研究グループは、この中のチャンネル66の周波数帯を用いて毎秒80Gビットの通信速度を実現するワンチップトランシーバを開発。これまで、シリコンCMOS集積回路を用いて1チャンネル当たり毎秒105Gビットのデータ送信を実現する送信器や毎秒32Gビットのデータ受信を実現する受信器を実現してきた。

 今回の研究成果で、量産性に優れたシリコンCMOS集積回路による300GHz帯を用いることで、情報通信ネットワークなどのインフラに使用される光ファイバに匹敵する毎秒テラビットの通信能力を、一般ユーザーが利用可能なほど安価に実現できる可能性があることが示された。これにより、300GHz帯無線の応用展開が考えられる。

 さらに将来的には、300GHz帯を含むテラヘルツ帯の無線通信は、地上と人工衛星間の超高速無線通信に適用することも期待されている。地上の医師や医療AIとリアルタイムに通信を行いながらスペースプレーン内において無重力状態で手術を行うなど、現在の技術だけでは考えられないようなことが実現できる可能性がある。


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