190117_01
日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
1月17日 |
190117_01 |
ローム |
半導体集積回路 |
専用IC |
一般産業用 |
電流積算制度を±1%に向上した大電流測定対応クーロンカウンタIC
ロームはロボットをはじめドローン、蓄電装置、バックアップ電源など産業機器用の電池残量を高精度に予測できる大電流対応クーロンカウンタIC「BD7220FV」を開発した。
電荷の流出入をカウントする(クーロンカウント)ICで、従来±5%だった電流積算精度を±1%に高めた。±10A−±2千Aの大電流測定対応の高精度クーロンカウンタIC開発は世界で初めて。
最先端の0.13μmBiCDMOSプロセスを採用し、20ピンSSOPで供給。18年12月からサンプル出荷を開始、4月から量産を始める。前工程はローム浜松(浜松市南区)で行う。
電池残量を高精度に予測して電池容量の有効活用ニーズに応えていく。まず、産業機器用リチウムイオン電池向けに供給し、今後は電気自動車(EV)向けにも用途を広げる。
新開発クーロンカウンタICのほか、4月以降に量産予定の非絶縁型FETゲートドライバー、既に量産中の電池監視LSI、NchパワーMOSFET、FET内蔵スイッチングレギュレータ、ハイパフォーマンス&超ローパワーマイコン、高電力・超低抵抗シャント抵抗器などを搭載したバッテリマネジメントシステム(BMS)リファレンスボードも用意。産業機器向けBMSソリューションとして提案していく。
BD7220FVは電池残量の測定方法に、電池電圧を測定する方法に比べて高精度に残量を予測できる、電流×時間の積算で測定し電荷の流出入を測定する電流測定法を採用した。
電流測定精度をさらに高めるため、従来マイコンに内蔵したADコンバータで読み出していた電流を測定するΔ狽`Dコンバータのほか、得られた電流を積算する演算器、OSC、オペアンプをクーロン・カウンタICに内蔵。独自のリアルタイム電流積算による高精度演算を実現した。
内蔵のΔ狽`Dコンバータは従来のマイコンで100Hz、10ミリ秒だった時間分解能を4KHz、250μ秒と40倍に引き上げた。また、従来のマイコンで12ビットのADコンバータ分解能を16ビットに、97.7mAの200A測定時分解能を6.1mAと16倍に上げ、トータルで640倍の高性能電流測定を可能にした。
測定値を正しく得るために各デバイスの出力をチェックして補正するキャリブレーションも、出力を最適化した各ブロック回路をクーロンカウンタICに内蔵することで一括補正が可能となった。
これらにより電流積算精度を従来の±5%から±1%に高め、開発工数をこれまでの2カ月から1週間に短縮。
産業機器用で課題のモーターやインバータのノイズ影響には、4段階に切り替え可能なデジタルノイズフィルタを内蔵、ノイズ環境下でもAC出力値にバラツキのない電流積算精度±1%の高精度測定を実現。
電池容量50Ahのリチウムイオン電池の場合、電流積算精度±5%で使用可能な実電池容量は45AHだが、電流積算精度±1%だと実電池容量が49Ahとなる。16セルつなぐと、積算精度5%で2664Wh、同1%では2901Whになり、237Whの大きな差が生じ、電池容量の有効活用でも大きな差になる。
クーロンカウンタICの供給と合わせて、同ICを搭載したBMSリファレンスボードも供給する。同ボード搭載の非絶縁型FETゲートドライバーは2chハイサイド用N―MOSFETゲートドライバー。充電/放電の制御が可能だ。内蔵の昇圧回路によりマイコンからの信号をFETドライブができる信号に変換する。立ち上がり時間350μ秒max、立ち下がり時間70μ秒max。1ch小電流の充放電制御が可能。耐圧80V。動作電圧6.5−64V。動作温度−40−+105度。20ピンTSSOP。
テクノフロンティア2018では、ロボット掃除機の10A以上のリチウムイオン電池の電圧、電流をBMSリファレンスボードで読み取り、Wi−SUN無線通信モジュールでタブレットPCにデータ送信し、タブレットPC画面に表示するデモを行い好評だった。4月に開かれる同2019でも新開発のリファレンスボードを使いBMSデモを行う予定だ。
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