スマホとの接続性の高いUSBシンクロナイゼーションIC

セイコーエプソンの車載機器向け ＵＳＢリシンクロナイゼーションＩＣ

　セイコーエプソンは、車載用ＩＣの製品ラインアップを拡充している。新たにＵＳＢ２.０に対応した車載機器向けＩＣの新製品として、通信品質を安定させるとともに、スマホとの接続性を高めるＵＳＢリシンクロナイゼーションＩＣ「Ｓ２Ｒ７２Ａ１１」を開発、受注を開始した。月産２０万個以上を予定。サンプル価格は２５０円（税別）。

　ＵＳＢは、利便性が高く、車載機器においてもインターフェイスとして普及しており、ダッシュボードやコンソールにもＵＳＢポートが標準搭載されている。ＵＳＢを用いた接続では、距離が長くなるほど通信品質が低下しやすいという課題があり、同社はこの通信品質を安定させ、車内におけるＵＳＢデバイスの接続性を向上させるＵＳＢハブコントローラＩＣ「Ｓ２Ｒ７２Ａ４シリーズ」を０９年に発売し、多くの車載機器に採用されてきた。

　新製品は、既存製品と同じく高い通信耐性を備えるとともに、進化するスマホの機能に対応し、車載インフォテインメントシステムとの接続性を高める車載用ＩＣ。

　スマホとインフォテインメントシステムを接続して音楽などを楽しむ使い方は、既に一般的になっているが、さらには車載ディスプレイで直接スマホを操作できるアプリも普及しつつあり、スマホとの接続は車載機器にとって不可欠な機能となっている。

　しかし、進化するスマホの機能に対応するためには、ＯＴＧポートの活用など従来のＵＳＢ規格にはない接続が必要となり、車載機器の開発においては、スマホとの接続に対応するための通信品質の安定化に新たな課題が生じている。

　新製品は、内蔵バスモニターによって、ホスト端末とデバイス端末の接続方向性に制約なく、常にＵＳＢ通信経路を自動的に確保でき、通信特性の改善に貢献する。さらに最高１０５度の動作温度ならびにＡＥＣ−Ｑ１００規格に対応し、車載向けの厳しい品質要求を満たしている。

　パッケージは、実装面積を抑える５�_�b角の小型サイズとし、車載機器の外観検査工程の利便性を高めるウェッタブルフランク構造を採用した。

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