接続時の不具合を防止する誤嵌合防止機構を採用した0.5ミリピッチFPC、FFC用コネクタ

0.5ミリピッチFPC/FFC用コネクタ 「6892シリーズ」 [引用:京セラ株式会社]

　京セラは接続時の不具合を防止する誤嵌合防止機構を採用した高耐熱・高速伝送対応の０.５ミリピッチＦＰＣ／ＦＦＣ用コネクタ「６８９２シリーズ」を開発、販売開始した。高耐熱・高速伝送対応により、車載機器の高性能化を実現する。

　近年、ＡＤＡＳやコネクテッドカーなど、自動車のエレクトロニクス化に伴い、車載機器のさらなる高性能化が進んでいる。このため、車載インフォテインメント（ＩＶＩ）や車載カメラ、レーダーなどに搭載されるコネクタは、振動や高温などの厳しい条件下での動作だけでなく、高速伝送対応へのニーズが高まっている。

　これらを背景に、同製品では、−４０度から＋１２５度までの広範な温度範囲対応に加え、最大３.７５Ｇｂｐｓ伝送可能な高速インターフェイス規格「Ｖ―ｂｙ―Ｏｎｅ　ＨＳ」および「ＣａｌＤｒｉＣｏｎ」に準拠する高速伝送を実現した。

　アクチュエータ（開閉部）に嵌合状態が確認できる窓を設置したことに加えて、ＦＰＣ／ＦＦＣの挿入が正しくないとアクチュエータが閉まらない「誤嵌合防止機構」を採用した。

　これらにより、目視または自動光学検査装置（ＡＯＩ）のどちらでも嵌合不具合の判別が容易になり、不良品の市場流出防止に貢献する。

　ロボットによる自動挿入に適したアクチュエータの操作性を実現し、製造工程における作業効率の向上に貢献する。嵌合時、インシュレータの突起部分がアクチュエータの窓に入り込む構造になっており、ロックした状態でＦＰＣ／ＦＦＣを無理に引き抜こうとした場合でもロック部が壊れにくい構造。ノイズの影響を抑止し、インピーダンス・マッチングによる高周波特性を向上する「グランド付きシールドＦＰＣ」にも対応している。

　用途は、車載機器を中心にＯＡ機器、産業機器、家電など。初年度販売目標は１１００万個。

　製品仕様は、極数は３０―６８極。極間隔０.５ミリメートル。基板上高さ２.２ミリメートル０.１５ミリメートル。実装部奥行きは６.３ミリメートル。フリップロック・下接点。使用温度範囲は−４０―＋１２５度（高耐熱タイプ）／−４０―＋１０５度（汎用タイプ）。定格電流ＤＣ０.５Ａ／コンタクト。定格電圧ＤＣ５０Ｖ／コンタクト。