カメラ、ミリ波レーダー、LiDAR等の安全運転支援モジュール用、電源IC「BD9Sシリーズ」など

ロームのADAS向け超小型車載降圧 DC/DCコンバータ「BD9Sシリーズ」 [引用:ローム株式会社]

　ロームは先進運転支援システム（ＡＤＡＳ）のカメラ、ミリ波レーダー、ＬｉＤＡＲなど安全運転支援モジュール用の小型・高効率電源ＩＣ事業を拡大する。

　自動車の安全システムの高機能化で安全運転支援モジュールの搭載数が増えるなか、モジュールに搭載される電源ＩＣで求められている小型、高機能化、高信頼性に応えた新製品を市場投入し、車載用電源ＩＣのシェアアップを図る。０４年から１７年の１４年間で累計３０億個以上（ＤＣ／ＤＣコンバータとリニアレギュレータ＝ＬＤＯの累計）の車載電源ＩＣの出荷ペースを加速する。

　５月には業界最小クラスの２ミリメートル角と３ミリメートル角のＳＳＯＰパッケージで業界トップクラスの電力変換効率を実現。出力電圧監視（パワーグッド）機能、起動時立ち上がり時間調整（シーケンス）機能を搭載し、２.２ＭＨｚの高周波動作でＡＭラジオ帯域（１.８４ＭＨｚＭａｘ）不干渉、周辺部品の小型化を可能にした車載降圧ＤＣ／ＤＣコンバータ「ＢＤ９Ｓシリーズ」５品種の量産出荷を開始した。

　同シリーズ５品種（入力電圧範囲２.７―５.５Ｖ、出力電圧０.８―Ｖｉｎ、最大出力電流０.６―４.０Ａ）に、安全運転支援モジュール基板で外付けしていたチップ抵抗器２個を内蔵した出力電圧可変の２ミリメートル角ＳＳＯＰパッケージ品２品種（入力電圧範囲２.７―５.５Ｖ、出力電圧１.２Ｖ、最大出力電流１.０Ａ／同２.７─５.５Ｖ、同１.８Ｖ、同１.０Ａ）を加え、ＡＤＡＳの安全運転支援モジュールやドライブレコーダなどの車載電源ＩＣ需要を取り込んでいく。

　新製品のＢＤ９Ｓシリーズは、バッテリ電圧をプライマリＤＣ／ＤＣコンバータで降圧した電圧をさらに降圧するセカンダリＤＣ／ＤＣコンバータ。同社従来品の０.６マイクロメートルまたは０.３５マイクロメートルのＢｉＣＤＭＯＳプロセスを０.３５マイクロメートルＢｉＣＤＭＯＳプロセスに微細化。回路設計も見直して、業界最小クラスの２.０×２.０×０.６ミリメートル、３.０×３.０×１.０ミリメートルＳＳＯＰパッケージで最大４.０Ａまでの出力電流に応じて幅広くラインアップ。入力電圧３.６Ｖ、出力電圧１.８Ｖ時９０％の高効率電力変換を達成した。

　フィールドバックループ制御方式に周波数変動のない電流モードを用い、常時２.２ＭＨｚでスイッチング動作するため、周辺部品を小型化でき、ＡＭラジオ帯域への干渉がない。リセットＩＣで対応していたパワーグッド機能やシーケンス制御機能も搭載し、システムの信頼性を高めることができる。