180417_01
日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
4月17日 |
180417_01 |
ニチコン |
受動部品 |
コンデンサ |
一般産業用 |
105度800Vに耐えるアルミ電解コンデンサ用の電解液
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新規電解質の二塩基酸 |
ニチコンは業界初の105度800Vに耐え得るアルミ電解コンデンサ用の新規電解液を開発した。
高電圧電力変換装置を主用途とする市場のアルミ電解コンデンサのハイパワー化、高効率化とともに求められている高電圧化に応えた。105度800V対応のねじ端子型アルミ電解コンデンサとして20年の製品化を目指す。85度750V対応のねじ端子型アルミ電解コンデンサを生産しているニチコン大野第3工場(長野県安曇野市)で生産する予定。
開発した電解液は、電解液の高耐電圧化に寄与する電解液の分子レベルの設計・合成のコンセプトに基づき、三重大学大学院工学研究科有機精密化学研究室と10年から共同開発してきた新規電解質の開発成果を基に、15年に新開発した105度750V以上の高電圧に耐え得るアルミ電解コンデンサ用電解液の電解質の反応メカニズムを探索。105度で800V以上に耐え得るアルミ電解コンデンサに必要な新規電解質を工業化レベルで設計・合成できるメドをつけた。
今回、この新規電解質に誘電体酸化皮膜の修復能力を高めた独自の耐電圧向上剤や添加剤を組み合わせて調整することで、耐電圧特性800Vの電解液を開発できた。
三重大学と共同開発した新規電解質は、BA―10由来二塩基酸の合成。BA―10の両端に1級アルコールのPEPOを使用。Brの結合した炭素とアルコールとの反応がスムーズで、不純物(副生成物)がなくなり、合成時の反応が高まる。分子の真ん中にポリマーを挟み込むことで分子量を多くしても電解質のエチレングリコールの溶媒溶解性を保て、高分子化(耐電圧向上)と溶媒溶解性の両立を実現できた。
分子レベルで設計・合成することで、必要性能である高電圧化・高耐熱性と分子構造との相関を明らかにでき、最適な分子構造を見いだせた。
新規電解質を用いたφ35×50Lミリメートルサイズのねじ端子型アルミ電解コンデンサ(105度6.1mA)の耐電圧評価試験で、耐電圧特性105度830V以上、疎水性向上による耐電圧特性の向上を確認している。
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