電波プロダクトニュース



180213_02
日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
2月13日 180213_02 産業技術総合研究所 半導体素子 半導体センサー 一般民生用

風圧分布を計測可能なセンサーフィルム


車のフロントガラスにセンサーを固定
得られた風圧分布

[引用:産業技術総合研究所]

 産業技術総合研究所(産総研)フレキシブルエレクトロニクス研究センター印刷プロセスチーム金澤周介研究員、牛島洋史研究チーム長兼同センター副研究センター長は、鳥の羽根構造をヒントに風圧の分布を高密度に計測できるセンサーフィルムを開発した。

 乱気流の中でも安定して飛ぶことができる鳥類の持つ優れた羽根構造を模倣し、工学や医療の分野に応用するバイオミメティクスの分野が注目されている。

 鳥類が持つ風圧検知機能は、翼の羽根1本1本を使って風を面状に受け、風圧の分布や流入角度を捉えることで飛行に最適な姿勢を選択する。この風圧検知を人工的に行うには、風圧の分布を高密度に計測できるセンサーが必要で、この機能は自動車の低燃費ボディーの開発や、各種産業への広い技術応用が期待できる。

 従来の風圧や風速の検出センサーは設置された1点のみを計測、多点の計測には個別のセンサーを並べて設置する必要があり、高密度な分布計測は困難だった。また、自動車や飛行機のボディー表面で計測するには、曲面形状への設置や大面積化が必要であり、これらを可能にする新たなセンサーデバイスが求められていた。

 今回開発したセンサーは、単一の樹脂のフィルムを切り紙細工のように加工。小さな羽根状の可動構造を形成し、その動きを利用して風圧の分布を計測する。風圧に応じて動く羽根状の可動構造が格子状に並ぶことで、フィルムが受ける風圧の分布を個々の可動構造の動きとして捉える。フィルムの表面には高感度な「歪センサー」が印刷法によって形成され、可動構造の動きを個別に検出。風圧の分布を計測することができ、車体のような曲面体が受ける風圧の計測にも利用できる。

 印刷法とフィルム加工で製造できるため、センサーの大面積化も容易である。自動車や航空機の低燃費化や姿勢制御の高度化など、モビリティ分野での幅広い応用が期待される。

 同風圧分布計測システムは、14─16日に東京ビッグサイトで開催される展示会「プリンタブルエレクトロニクス2018」で展示・紹介される。


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