高速伝送対応0.5ミリピッチフローティングコネクタ「DTシリーズ」

フローティングコネクタ「DTシリーズ」 [引用:ケル株式会社]

　ケルは高速伝送対応０.５ミリピッチフローティングコネクタ「ＤＴシリーズ」のさらなるバリエーション拡充を推進する。現在、シェル付きタイプの開発を進めているのをはじめ、その後も継続的なバリエーション拡充に注力することで、幅広い市場への展開を図っていく。

　ＤＴシリーズは、同社が１５年に販売開始した高速伝送対応の０.５ミリピッチ基板対基板接続用フローティングコネクタ。同シリーズのバリエーション拡充として、今年度はハイスタックタイプ（スタック接続高さ１７／１８／１９／２０ミリメートルの４種）を開発、量産を開始した。スタック接続高さ２５ミリメートル品についても開発中。

　現在はさらなるバリエーション拡充としてシェル付きタイプを開発中。シェル付きタイプはＥＳＤ（静電気放電）対策やＥＭＩ対策に対応。コネクタ全体を囲む金属シェル構造により静電気やノイズなどから信号を保護し、安定した伝送を可能にする。接続方式はスタック接続タイプ（スタック接続高さ１０ミリメートル）、極数は３０、４０極を展開予定。

　ＤＴシリーズの強みは、高速伝送対応、３次元接続に対応、多極（２４０極など）対応などがあり、車載用などを中心に引き合いが増加している。「ＤＴシリーズは戦略製品として、今後も広くＰＲしていく。フローティングコネクタのディファクト化を目指す」（同社）。

　同社のフローティングコネクタは、汎用性の高さから市場を問わず様々な電子機器で採用実績を重ねている。今後もバリエーション拡充を進めることで、さらなる市場展開を目指す。

　ＤＴシリーズの主な特徴としては、高速伝送に対応した０.５ミリピッチフローティングコネクタ。伝送特性はＳＡＴＡ　Ｒｅｖ３.０の要求規格を全て満足する、ＳＡＴＡ規格相当の高速シリアル伝送に対応。フローティング量はＸＹ方向に０.５ミリメートルを確保。有効嵌合長１.５ミリメートルの高信頼設計。接続方式はスタック、水平、垂直接続の３次元接続に対応。

　バリエーションは、プラグ・レセプタクルともにストレート、ライトアングルタイプを用意。極数は３０／４０／６０／８０／１００／１４０／２４０極に対応（ライトアングルタイプは２４０極を除く）。シェル付きタイプも開発中（スタック接続高さ１０ミリメートル、３０／４０極）。接点形状は円弧形状とし、異物をかみこみにくい形状。ＲｉＨＳ指令対応品。

　主な仕様は、定格電流は１端子につき０.４Ａ。接触抵抗８０ｍΩ以下。耐電圧ＡＣ２００Ｖ、１分間。絶縁抵抗ＤＣ２５０Ｖ、１００ＭΩ以上。使用温度範囲−４０―＋１０５度。

　ターゲット市場は、車載機器、ＦＡ関連、遊戯機器、医療機器、画像機器、通信機器、各種小型機器など。