電波プロダクトニュース



180123_01
日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
1月23日 180123_01 日立製作所 半導体素子 半導体センサー 一般産業用

地盤や構造物の微小振動を高感度検出可能なMEMS加速度センサー


試作したMEMS加速度センサーを構成する、
制御IC、検出IC、MEMS素子(左)と、MEMS素子の錘(右)

[引用:株式会社日立製作所]

 日立製作所は22日、地盤や構造物の微小振動を高感度かつ低消費電力で検出できるMEMS加速度センサーを開発したと発表した。資源調査などに使われる加速度センサーと同等の感度を、従来の半分以下の消費電力で実現できる。20年の実用化を目指し、今後は実証試験などを行っていく。

 開発したMEMSセンサーは携帯電話や自動車などに使われるセンサーと比べ非常に高感度で、物理実験や航空、地震検知などで用いられる非MEMSセンサーと同等の高感度を持ちながら、低消費電力を実現した。

 開発した技術は「空気抵抗による高感度化の妨げと、検出と制御を実現するための高電圧の両面の課題を解決した」(関口知紀研究開発グループ主任研究員)。今回、空気抵抗を低減するために空気を通す穴を工夫。2層積層型の貫通孔を採用し、上層部と下層部で径の異なる貫通穴を作り空気抵抗を約半分に低減した。「上層の小さい穴は30マイクロメートル程度となり、下層の穴をより大きくした」(同)という。

 加えて錘(おもり)の動きの制御と検出を並行動作させる独自方式を開発。常に制御と検出を行うことで制御時の出力電圧を約60%に低減した。

 これらの技術によりノイズレベル30ng/ √Hz) の高感度で20mWの低消費電力を実現した。この技術により資源調査や地下埋没インフラ監視、地上インフラの監視、工場監視などの領域で、高感度な監視ができる。「大規模で低消費電力が必要とされる地盤や構造物の微小振動の検出などの場面でもMEMS加速度センサーの適用ができる」(同)とみる。

 試作した素子は1センチメートル以下の大きさで実現でき、小型モジュールによるセンサーシステムが構築できるようになる。今後、事業部門や外部企業などとの連携を図り実用化を目指していく計画。


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