高耐振動性能に対応したリード線系アルミ電解コンデンサ「UXYシリーズ」

高耐振動構造リード線形 アルミ電解コンデンサ「UXYシリーズ」 [引用:ニチコン株式会社]

　ニチコンは高耐振動構造の車載用リード線形アルミ電解コンデンサを開発し、１月から量産を開始する。エンジン制御などのパワートレイン系ＥＣＵや各種制御ユニットの設置位置が車室内からエンジンルーム、さらにエンジンやトランスミッションへの直付けに変化しコンデンサに求められている高耐振動性能に応えた。「ＵＸＹシリーズ」としてニチコン大野（福井県大野市）で月産５０万個の供給体制でスタートさせる。サンプル価格４００円―／個。

　新製品ＵＸＹシリーズはケース側面に６本の溝（スリット）を設け、ケース内のコンデンサ素子を保持し、高振動によるリード端子のストレスを緩和する独自の耐震度構造を採用。ケース側面に溝がない従来のリード線形アルミ電解コンデンサで課題だった素子とケース間の隙間により素子が高振動下で揺れてリード端子根元付近で断線故障が生じるリスクを抑え、耐振動性を向上した。

　これにより、車載用で求められる高容量化に応えた製品寸法φ１８×３１.５Ｌ、φ１８×４０Ｌの大型リード線形アルミ電解コンデンサ（定格電圧２５―５０Ｖ、定格静電容量範囲２３００―１万１千μＦ）でも最大４０Ｇの振動加速度に対応。１２５度３千時間保証、１３５度３千時間保証（許容リプルディレイティング時）の高温度対応を実現した。

　車載向け各種制御ユニットにおける高耐振動化要求に応えることができる。

　ケース側面に設けた６本のスリット数はリード端子根元の応力がスリット本数が６本以上になると飽和傾向になること、ケース加工の安定性も確保できることをシミュレーション技術を使って突き止めた。

　耐振動性能は室温（１５―３５度）、振動条件（振動周波数範囲＝１０―２千Ｈｚ、振幅または加速度＝全振幅１.５ミリメートルまたは３９２ｍ／Ｓ２（４０Ｇ）のいずれか緩い方、掃引速度＝０.５オクターブ／分、振動方向と時間＝ＸＹＺの各方向各２時間、合計６時間、固定＝固定具にて製品本体、リード線を固定）で試験を行った後、２０度に復帰させ測定した時の静電容量変化率＝初期値の５％以内、ｔａｎδ＝初期規格値以下、漏れ電流＝初期規格値以下。