表面温度の上昇を同社従来品より45%低減した小型高電力の低抵抗シャント抵抗器「GMR100シリーズ」

ロームの小型・高電力の 低抵抗シャント抵抗器 「GMR100シリーズ」 [引用:ローム株式会社]

　ロームは車載や産業機器などの大電力用途の電流検出用に使われるシャント抵抗器のシリーズを拡充する。

　定格電力範囲２−５Ｗ、抵抗値範囲５−２２０ｍΩの高電力シャント抵抗器「ＧＭＲシリーズ」。自動車関連、モバイル関連、民生・その他分野で現在、約１０％の抵抗器世界シェア（数量ベース）をシャント抵抗器や高電力抵抗器の高付加価値品で引き上げていく。

　まず、定格電力３Ｗ品（抵抗値５ｍΩ＝抵抗温度計数０−＋５０ｐｐｍ／度、１０−２２０ｍΩ＝±２０ｐｐｍ／度）の「ＧＭＲ１００」を１０月から量産を開始した。１１月からチップワンストップ、ザイコストア（コアスタッフ）、アールエスコンポーネンツの３社でインターネット販売も始めた。

　１８年３月までに定格電力５Ｗ品（５ｍΩ＝０−＋１００ｐｐｍ／度、１０−１００ｍΩ＝±２５ｐｐｍ／度）の「ＧＭＲ３２０」と２Ｗ品（５ｍΩ＝０−＋５０ｐｐｍ／度、５−２００ｍΩ＝±２５ｐｐｍ／度）の「ＧＭＲ５０」を量産する予定。

　「ＧＭＲシリーズ」は抵抗体金属に銅系の高機能合金材料を採用。パッケージ材料に熱伝導性に優れた放熱しやすい樹脂絶縁材料を用い、シャント抵抗器表面温度の上昇を同社従来品より４５％低減した。低抵抗領域でも優れた抵抗温度係数を達成。熱に左右されにくい高精度な電流検出を可能にした。抵抗値１０ｍΩ品を３Ｗで使用した際、同社従来品で１８１度まで上昇していた表面温度をＧＭＲ１００品は１００度まで抑えることができる。抵抗値１０ｍΩを３Ｗで使用した他社品で１４０度の表面温度をＧＭＲ１００では１０７度にできる。

　パッケージは６４３２サイズ（６.４×３.２ミリメートル、２５１２インチ）。一般品と同等サイズを維持しているため、容易に置き換えることができる。高さは一般品に比べ約半分のため全体の体積を約４７％小型化が可能。

　生産は前工程、後工程ともローム・インテグレイテッド・システムズ（タイランド）で行う。ＧＭＲ１００を月産１００万個体制で量産を開始した。