0402サイズで高インピーダンスを実現したチップビーズ「MMZ0402ECUCシリーズ」

TDKの高インピーダンスを 実現した0402サイズのチップビーズ [引用:TDK株式会社]

　ＴＤＫは０４０２サイズで高インピーダンスを実現したチップビーズ「ＭＭＺ０４０２ＥＵＣシリーズ」を開発した。スマホなどの高密度実装回路でのノイズ対策用途に最適。月産３千万個を予定し、量産を開始した。サンプル価格は２０円／個。

　スマホなどでは高機能化、高速・大容量通信を背景としてバッテリ容量増大のため、搭載する回路基板の省スペース化が進んでいる。この動きに伴い、モジュールを含めた搭載部品にも小型で高性能化が求められている。

　新製品のチップビーズは、フェライトのチップ内部に電極がコイル状に形成され、ここを信号が通過するときに、高周波ノイズが吸収される仕組みの電子部品。メガヘルツからギガヘルツ帯のノイズ対策で最も汎用的に使用されている。インダクタがノイズを反射させるのに対して、チップビーズはノイズを吸収し、熱として放出するもの。

　新製品は小型化するために積層技術を使い、アンテナ数の増加および近接化、データ通信料の増加が進むなかで、高いノイズ除去効果を得るために高インピーダンスの実現、さらに消費電力を抑制するために低抵抗化をキーワードに開発。

　フェライトの新材、最適プロセスなど、独自技術によってインピーダンス効率を改善し、従来品の直列抵抗を維持したまま、インピーダンスを２０％向上した。同一サイズ、同一インピーダンスのチップビーズにおいては最高水準の低直列抵抗化も実現しており、ノイズ除去効果の引き上げと同時に消費電力の削減のニーズに応える。

　使用温度範囲は−５５―＋１２５度と広い温度範囲を実現しており、高温環境で使用することができる。

　製品は１００ＭＨｚでのインピーダンスが１５０Ω（直流抵抗０.６２Ω）と１８０Ω（同０.６９Ω）の２タイプ。

　今後、高インピーダンスのラインアップの拡充、他形状への展開を図っていく。

　同社は、チップビーズの新製品開発を活発化。車載向けにも銀の下地電極の上に樹脂電極を塗布し、ニッケル―スズの２層めっきで構成した信号ラインのノイズ対策用業界で初めて樹脂電極チップビーズを開発している。１５０度対応、機械的応力、熱衝撃による製品クラックの抑制といった車載特有の要求に対応する。