柔軟性に優れた「PEDOT透明電導センサー」を発表

日本モレックスの 「PEDOT透明導電センサー」

　日本モレックス（神奈川県大和市）は、曲面スイッチのバックライト機能を実現する、柔軟性に優れた「ＰＥＤＯＴ透明導電センサー」を発表した。曲面形状の静電容量式タッチスイッチにバックライト機能を付加できる、半透明で柔軟性に優れた製品だ。

　新製品は、ポリエステル基板に導電回路を印刷した、柔軟で半透明なセンサー。３次元形状の表面に実装できるため、インターフェイス機器における設計自由度の大幅な向上に寄与する。スペースの制約が厳しいアプリケーションなど、導光フィルムや側面発光ＬＥＤを用いた従来のバックライト方法が利用できない用途に適用できる。

　これまで透明な導電膜の製造には、一般的に酸化インジウムスズ（ＩＴＯ）が素材に用いられてきた。だが、ＩＴＯはもろく、柔軟性に欠けるため、曲面形状への適用は困難だった。

　モレックスのＰＥＤＯＴ透明電極センサーは、５万回以上の曲げサイクルに耐えられることが実証されており、標準的な感圧接着剤で取り付け可能なことから、全体的な増入コストの低減にも貢献する。

　同センサーはタッチセンシングと近接センシング両方に対応して作動可能なため、幅広い設計ニーズに対応する。バックライト付きタッチスイッチを搭載した静電容量式ユーザーインターフェイスの設計を検討しているＯＥＭに適した製品だ。

　自動車のインテリア用途での利用が見込まれるほか、家電の制御装置やコネクテッドホームのサーモスタットなどの用途での利用が期待されている。