EPCOS製品の突入電流防止用PTCサーミスタのラインナップを拡大

TDKの突入電流防止PTCサーミスタ

　ＴＤＫは、ＥＰＣＯＳ製品の突入電流防止用ＰＴＣサーミスタのラインアップを拡大した。産業機器や家電製品のコンバータおよび電源ユニットをはじめ、ＨＥＶ、ＥＶの動力における車載充電器用回路およびＤＣリンクコンデンサの充放電回路など、幅広い過電流などからの電流制限の要求に対応。定格電圧範囲と公称抵抗値のラインアップを充実した。 　突入電流から回路を保護する突入電流防止としては、ＮＴＣサーミスタが各種電源で利用されているが、特に過酷な温度や出力状態においては、より信頼性の高い保護機能を提供することができるとしてＰＴＣサーミスタが評価されている。

　突入電流防止ＰＴＣサーミスタは、本質的な安全機能を有し、万が一、動作時の装置内で短絡故障が生じたとしても、ＰＴＣサーミスタが速やかに抵抗値を増幅することにより、電流を安全な値に制限する役割を果たす電子部品。

　プラスチックケースに収められたＢ５９２１・Ｊ０１３０Ａ０２０シリーズの新しい４バージョンは、２８０―５６０ＶＡＣの電圧向けに設計され、公称抵抗値は２５度で２２―１００Ω。熱容量は最大２.３Ｊ／Ｋ。ＵＬ認証を受け、ＡＥＣ−Ｑ２００に適合する。

　リード付きディスク素子Ｂ５９４／Ｂ５９７シリーズの定格電圧は２６０―５６０ＶＡＣ。公称抵抗値はタイプ別に２５―１１００Ω。また、これらの保護素子はタイプによりＵＬ、ＩＥＣＱおよびＶＤＥに準拠し、認証されている。全ての製品がＲｏＨＳ指令適合品。

　同社は、モーターやインバータの始動時に発生する突入電流を制限するＮＴＣサーミスタでも従来から供給しているＩＣＬシリーズの「Ｐ１１」および「Ｐ１３」に加え、１６年には新たに大径タイプの「Ｐ２７」シリーズをラインアップしている。ディスク径２７ミリメートル、リードピッチ７.５ミリメートルの大径タイプが新たに加わることで、大型の電気モーターやインバータ、あらゆる種類の大容量電源、さらには溶接機やプラズマ切断機といった大電流の産業機器分野まで用途を拡大している。