170529_01
日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
5月29日 |
170529_01 |
ローム |
半導体素子 |
ディスクリート |
一般産業用 |
インバータ回路用に特化した600V耐圧スーパージャンクション構造のMOSFET「PrestoMOS」の量産を開始
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本格量産開始の600V SJ MOSFET「Presto MOS」第2世代。 TO-252パッケージ品と TO-247パッケージ品。 |
ロームはインバータ回路用に特化した600V耐圧スーパージャンクション(SJ)構造のMOSFET「PrestoMOS(プレストモス)」の第2世代シリーズの本格量産に入った。
独自のチップ構造の最適化でエアコン、冷蔵庫、洗濯機の白モノ家電や産業用モーター、EV用急速充電器などのインバータ回路の高速trr(逆回復時間)、低オン抵抗、低Qg(ゲート入力電荷量)の要望に応えた。7年ぶりの世代交代。16年12月から月産能力10万個体制で量産を始めている。前工程はローム・アポロ(福岡県広川町)、後工程はローム コーリア。サンプル価格約180―1800円。
有山詔ディスクリート生産本部パワートランジスタ製造部長は「従来の高速trr性能を維持したまま、低オン抵抗化と高速スイッチング化を実現できた。業界トップシェアのエアコンインバータ回路用はインバータ化が進む中国やアジアの需要を取り込み、シェアをさらに上げていく。産業用モーター、充電ステーションなどのインバータ回路用もIGBTからPrestoMOSの置き換えを進め、省エネ化のニーズに対応する」と話している。
第2世代(2G)のPrestoMOSは「R60xxxMNxシリーズ」。10年に量産を開始した第1世代(1G)PrestoMOS同様、スイッチング動作を行うPチャンネルに残留している電子と正孔の二つをシリコンの結晶欠陥を作ることで消滅させる同社独自のライフタイム制御法を採用。1GよりPチャンネル領域とNチャンネル領域の間隔(トランジスタ1セルサイズ)を3分の2に狭め、Qgを1G比70%低減し、高速スイッチング性能を1G比70%改善。スイッチングダイオードがオン状態から完全なオフ状態になるまでにかかるtrrを20%高速化した。
また、Nチャンネルの高濃度化で同じスペースで1Gよりスイッチングダイオードがオン状態時の抵抗値のオン抵抗を1G比40%低減し、電流を多く流せるようにした。1G同様、MOSFETのスイッチがオフ状態でも電流が流れてしまうセルフターンオン現象は発生しない。PチャンネルとNチャンネル間の狭ピッチ化で短絡耐量は1Gより下がったが、他社品に比べると1.数倍から2.数倍の高短絡耐量を確保した。
高速trr、低オン抵抗、低Qgによりインバータエアコンで軽負荷時のインバータ電力損失を1Gより約20%低減。IGBTと比べると約56%低減。インバータエアコンの一層の省エネ化を可能にした。
パッケージはTO―252(オン抵抗―500mΩ品、400―250mΩ品)/TO―220FM(150―100mΩ品)/TO―3PF(100―50mΩ品)/TO―247(100―、50―mΩ品)のほか、TO―263(LPTS)でも供給可能。オン抵抗500―400mΩのTO―252と同250―150mΩのTO―220FMのパッケージ品も開発中。
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