−40度から＋125度の温度環境や、厳しい振動下でも高い通電品質を保てる車載用コネクタ「ZE05｣を出荷開始

ヒロセ電機の車載 ＥＣＵコネクタ

　ヒロセ電機は−４０から＋１２５度の温度環境、エンジンルーム内の厳しい振動下でも高い通電品質を保てる車載ＥＣＵインターフェイス用０５０コネクタ「ＺＥ０５」を出荷開始する。同製品は、現在開催中の「人とくるまのテクノロジー展２０１７横浜」（パシフィコ横浜）で初披露されている。

　今後の自動車産業では、エコカーや自動運転、ＥＶを支える技術が求められ、使用される部品もエンジンの熱と振動に耐えられる性能が要求されている。さらに、自動車の生涯走行距離も１０万キロメートル以上が当たり前となり、長期間にわたって安全に動くことが求められる。自動車用コネクタについても、従来製品に比して圧倒的な高熱耐性やエンジンからの振動に長期間耐えられるタフさが求められている。

　同社はこうしたニーズに対応するため、高熱、振動耐性の２点を判定基準とし、研究と開発を重ねて基準をクリア。高い通電品質を持った新たな製品を３年かけて開発した。具体的には、接点部障害の一つ微摺動摩耗という難題解決に向け、できる限り摺動を制御し、一度接合させた接触部を良好な状態で継続できるコネクタとして、熱や振動に耐える究極の車載品質を追求したＥＣＵインターフェイス用０５０コネクタ「ＺＥ０５」を完成させた。Ｚは「これ以上ない究極」という思いを込めた製品名。

　同製品の主な特徴は、微摺動摩耗対策により、−４０―＋１２５度のサーマルショック試験３千サイクルをスズめっきで達成。インバータ内部など、エンジンルームに搭載される機器の厳しい振動条件をパス。０５０サイズ、２ミリピッチで低背・省スペース。セットの小型化に貢献する。

　今回開発したＺＥ０５は、現在のＥＶやＨＥＶなどのパワートレイン系制御システムの要求に耐え得る製品。同社では今後も自動車の電子機器のニーズに応えるため、ＺＥ０５の設計思想をベースに防水対応品、ハイブリッド車対応品への製品展開を検討していく。