作業ミスのコネクタ破損を回避する0.5ミリピッチFPC/FFCコネクタ

京セラコネクタプロダクツの ６８１１シリーズ

　京セラコネクタプロダクツ（横浜市緑区）は作業ミスによるコネクタ破損を大幅に改善する０.５ミリピッチＦＰＣ／ＦＦＣコネクタ「６８１１シリーズ」を開発した。作業工程で発生するコネクタの破損に着目し、良好な操作性と堅ろう性を追求した製品。２８日から販売開始する。

　モバイル機器向けのＦＰＣ／ＦＦＣコネクタは、端末の小型・薄型化に伴い小さく・薄くなっている。このため一般に取り扱い時には繊細な作業が必要で、作業者の操作ミスや意図しない箇所に指が触れるなどの誤操作からコネクタ破損が起こる場合がある。同社はこうしたコネクタ破損に着目し、堅ろう性を高めた「６８０９シリーズ」を１４年にリリースし、販売してきた。

　今回開発の６８１１シリーズは、そのコンセプトを踏襲し、さらに堅ろう性を高めた製品。０.５ミリピッチ、基板上高さ１.２８ミリメートル、４―１６極に対応予定。下接点、フロントロックタイプ、０.３ミリメートル厚のＦＰＣ／ＦＦＣに適用する。低背・小極の省スペース品ながら、ＦＰＣ／ＦＦＣの引き上げを防止する金具部分を設け、堅ろう性を向上。耳付きＦＰＣ／ＦＦＣを使用することで、斜め挿入や浅挿しによる接点ズレを防止し、嵌合不具合が目視で確認でき、作業効率向上に貢献する。

　特徴は、０.５ミリピッチ・低背の省スペースコネクタ。従来のフロントロックコネクタの弱点である、ＦＰＣ／ＦＦＣの引き上げによるロックの開放やコネクタの破損を防止する高強度金具を設け、堅ろう構造を実現。アクチュエータの操作方向を逆向きに行う操作ミスや、無理な押し込みによる破損を防止する構造。ＦＰＣ／ＦＦＣ耳付き部の固定側をアクチュエータに設けた設計により、良好な挿入操作性。ＦＰＣ／ＦＦＣを無理に引っ張ってもコンタクト変形や固定部の破損が起きにくい構造。

　自動実装に対応した１リール４千個のエンボステープに入り。ＲｏＨＳ指令対応／ハロゲンフリー対応製品。

　仕様は、定格電流ＤＣ０.５Ａ／コンタクト。定格電圧ＤＣ５０Ｖ／コンタクト。使用温度範囲４０―８５度。耐電圧ＡＣ２００Ｖｒｍｓ／ｍｉｎ。サンプル価格は１００円（１６極）。