高精度の回転実現のレーザースキャナーモーター用ドライバーIC

ロームのレーザースキャナモーター用 ホール素子レスモータードライバーＩＣ

　ロームはホール素子を使わずモーター回転精度（回転ジッタ）０.００５％未満を実現したレーザースキャナモーター用ドライバーＩＣを開発した。

　レーザープリンタ、複合機用ポリゴンミラーモーター、バーコード、医療機器、産業機器、各種レーザースキャナ用三相ブラシレスＤＣモーターに供給する。既に７月からサンプル出荷を始め、１２月に月産能力４０万個で量産を開始する。サンプル価格５００円（税抜）／個。生産は前工程をローム浜松（浜松市）、後工程をローム　エレクトロニクス　フィリピンズで行う。

　ロームはＤＶＤ、ＣＤ用モータードライバーＩＣで高いシェアを持つが、レーザースキャナ用モータードライバーＩＣは今回の開発品で本格参入していく。

　レーザースキャナモーターからの逆起電圧を高精度に検出する新開発の逆起電圧コンパレータ、センサーレス駆動ロジック回路を採用。高精度回転ジッタを得るためにモーターの位置を検出するホール素子を使用せずに５万ｒｐｍの超高速回転で０.００５％の業界最高クラスの高精度回転ジッタを可能にした。同社ホール素子レス駆動手法に比べ回転ジッタは約５０分の１。ホール素子不要、ホール素子の取り付け工程削減により、コストダウンとともに信頼性を高めることができる。

　また、ＤＶＤ用モータードライバーＩＣで０.３５マイクロメートルＢｉＣＤＭＯＳをパワー系最先端プロセス０.１３マイクロメートルＢｉＣＤＭＯＳに微細化し、ワンタイム・プログラマブル・メモリー（ＯＴＰ）を内蔵した。これによりモーターの磁石材料、モーター径、ミラー数などの特性変更に簡単に対応でき、マッチングが容易。対応モーター種類を大幅に広げた。

　従来のホール素子不要のセンサーレス駆動モータードライバーＩＣが特定特性のモーターしか駆動できないカスタム品のため、特性変更対応に約半年かかっていたのを今回の開発品はメモリーを内蔵することで特性変更も約１週間で対応可能。