131108_01
日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
11月8日 |
131108_01 |
ローム |
半導体集積回路 |
汎用リニアIC |
移動体通信機器用 |
モバイル機器のセンサー用に特化したオペアンプ
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ロームは、スマートフォン、タブレットPC、ポータブルゲーム機などのモバイル機器のセンサー用に特化した信号増幅IC「オペアンプ」を開発し、今月から量産を開始する。サンプル価格50円/個。1.7V低圧動作、入出力フルスイングとともに、同相信号除去比(CMRR)70デシベルという同社従来品比18倍の高精度を実現した。加速度センサー、角速度センサー、圧力などのモーションセンサーに使用できるほか、ショックセンサーにも使える。民生機器、産業機器、自動車で採用が進み、国内シェア20―30%を持つバイポーラオペアンプ並みのシェアを、今回の新製品を加えたCMOSオペアンプでも目指す。
新製品のオペアンプは、センサー出力信号のような微小な信号を同社従来品より18倍高精度に増幅できる。従来のオペアンプの中に2段あった差動入力段を回路構造を変えて1段にすることにより、CMRRを同社従来品の45デシベル(178倍)から70デシベル(3162倍)と、18倍性能を上げることで高精度な増幅が可能となった。アンプの二つの入力端子に全く同じ信号(同相信号)を入力すると、同相信号による誤差(オフセット電圧)が生じ、オフセット電圧を除去する能力(CMRR)を高めることがオペアンプで求められている。
動作電圧1.7V
また、同社従来品で1.8Vが下限だった動作電圧も1.7Vまで下げた。デジタル回路の電源電圧1.8Vに合わせたいアナログ回路の1.8V動作に対し0.1Vの動作マージンを確保した。
低電圧動作で課題だった急激な信号変化への対応もスルーレートを2.5V/マイクロ秒に高速化し、ショックセンサーにも使えるようにした。既存のCMOSオペアンプでは0.3―1.1V/マイクロ秒とスルーレートが遅く、速い反応が必要なショックセンサーには対応できなかった。
基準電圧(グランド)から電源電圧(電源)までの入力、出力できる範囲をグランドから電源までフルに使える入出力フルスイングタイプにしてダイナミックレンジも確保した。
SSOP5パッケージ(パッケージ寸法2.9×2.8×1.25ミリメートル)品は、8月にサンプル出荷を開始。11月から量産に入る。生産は前工程をローム浜松(浜松市)で、後工程をローム エレクトロニクス フィリピンで行う。月産能力50万個でスタートする。
SSOP5パッケージの体積で85%減のVSOF5パッケージ(1.6×1.6×0.6ミリメートル)の小型・低背品は、12月からサンプル出荷する。サンプル価格50円/個。14年3月から当面月産能力50万個で量産する。前工程をローム・ワコー(岡山県)、後工程をローム インテグレイティッド システムズ(タイランド)で行う。
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