船底保護用機能性フィルム「マリングライド」

　日東電工は、業界初の船底保護用機能性フィルム「マリングライド」を開発した。３年以上防汚性を維持できるとみている。１４年度から販売を開始し、１８年度には年間２０億円の販売を見込んでいる。

　エレクトロニクス分野や工業分野で培った粘着剤技術、コーティング技術などを用い、従来塗料の防汚性に近い特性を実現したフィルムを開発した。

　海水面下で船底に生物が付着し、水との抵抗が増え燃費が悪化。付着物除去に労力、費用がかかるなどの課題がある。このため一般的には船底に銅系の防汚塗料を塗るが、一部地域で銅系塗料の海洋環境汚染が問題視されている。米国サンディエゴ市、ワシントン州では１９年以降、プレジャーボートに銅系塗料の使用が禁止されるなど、船底にも海洋環境対策が要求されてきた。

　マリングライドはこうしたニーズに応え、ＶＯＣ（揮発性有機化合物）ゼロで、作業者、環境に優しい製品。３年以上防汚性が維持でき、作業性もメンテナンス時に高圧洗浄水で簡単に付着物を除去できる。

　使用後はフィルムをはがすだけ。フィルム表面の平滑性が向上した結果、水との摩擦抵抗が小さく燃費が向上。傷や衝撃から船底を守る。