東北大と共同で新ゴム複合材開発

　日立電線の連結子会社である東北ゴム（仙台市宮城野区）は、仙台市産業振興事業団による支援で実現した、東北大学大学院工学研究科堀切川研究室との共同研究で、ゴムにＲＢセラミックス（ＲＢＣ）を高重量配合することで低い摩擦係数と高い耐摩耗性を併せ持った新しいゴム複合材を開発した。これにより、滑りやすく摩擦に対して、すり減りにくい付着防止用シートなどの提供が可能となる。

　ＲＢＣは、東北大学により開発された脱脂した米ぬかを原料とする硬質多孔性炭素材料。軽量、低い摩擦係数、高い耐摩耗性などの特性を持ち、無潤滑直動すべり軸受けや無潤滑ステンレスチェーンなどに採用されている。ゴムやウレタンに低重量配合することで水や油で濡れた面での摩擦係数を増加させる性質を持ち、耐滑靴底材料などで使用されている。

　今回開発の新しいゴム素材は、ゴムにＲＢＣを高重量配合（５０―６０ｗｔ％）した。ＲＢＣが持つ低い摩擦係数と高い耐摩耗性により、フッ素樹脂と同等の摩擦係数と超高分子量ポリエチレンと同等の耐摩耗性を兼ね備えている。

　導電性にも優れており、帯電しやすい粉末などの居付きを防ぐことも可能。難燃性や抗菌性を付加することができる。