電波プロダクトニュース



051027_03
 
日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
10月27日051027_03 ダイドー電子 電子材料 電子材料 パソコン・OA機器・LAN用

外形φ10ミリ以下のネオジウム系ラジアル異方性極小径リング磁石



ダイドー電子のネオジウム系
ラジアル異方性リング磁石「ネオクエンチDR」


ダイドー電子磁石の磁気特性


極小径ネオジウム系リング磁石の性能比較
  磁気特性 多極化 薄肉化 長尺化 モーター性産性
NEOQUENCH-DR
焼結ラジアル異方性 ×
焼結極異方性 × ×
(出所:ダイドー電子)
大同特殊鋼の全額出資子会社であるダイドー電子(岐阜県中津川市、野田孝昭社長)はこのほど、外径φ10ミリ以下の極小径リング磁石として、世界最高磁気特性となる最大エネルギ積320kj/立方メートル(40MGOe=メガガウスエルステッド)を実現したネオジウム系ラジアル異方性リング磁石の製造技術を開発し、今月からサンプル出荷を開始した(既報)。用途は、超小型HDD用モーターや超小型サーボモーターなど。セットの小型・軽量・省力化に貢献する。

新開発の磁石は、同社の主力製品の1つであるNd-Fe-B(ネオジウム-鉄-ボロン)ラジアル異方性リング磁石「NEOQUENCH-DR(ネオクエンチDR)」において、これまで製造が困難だった極小径での高磁気特性のリング磁石製造技術開発に成功したもの。

同社は、1991年から独自の熱間押し出し加工法によるネオクエンチDRを日本と中国で製造・販売している。ネオクエンチDRは、最大エネルギ積240-360kj/立方メートル(30M-45MGOe)と非常に高い磁気特性を持つ。

ネオクエンチは、半導体製造装置やロボットなどのサーボモーター用、電動パワーステアリング用などに広く採用されている。近年、拡大する小型化・軽量化・省力化のニーズに対応するため、より小型の高磁気特性リング磁石の製造技術が求められていた。従来の製法では、小径長尺で高い磁気特性を得ることが困難だった。

こうした要求に対し、同社は、大同特殊鋼技術開発研究所との共同研究により、熱間押し出し加工法の原料から製造工程までの細部を見直し、極小径・高磁気特性を実現する独自の磁石製造技術を確立。これにより、外径φ10ミリ-φ6.5ミリの極小径品で外径の5倍の長尺品製造を可能とし、320kj/立方メートルの高磁気特性を実現したもの(同社従来品は、φ11ミリ品で240kj/立方メートル、30MGOe)。

ネオクエンチは、世界唯一の熱間押し出しNd-Fe-B磁石。形状自由度に優れ、耐熱性や耐食性でも優れた性能を有している。また、円周方向の特性ばらつきが小さく、着磁波形のコントロールが可能で、低コギング化が容易。接着組み付けが容易で、コスト低減が図れる。

同社では、今回の極小径長尺高磁気特性磁石の投入により、ネオクエンチDRの製品ラインアップを充実させ、超小型HDD用モーターや各種ロボットなどでの需要拡大を見込む。ネオクエンチ全体では、08年度には04年度比で4倍の40億円の売上げを計画する。

同社は、1990年1月に設立された磁性材料メーカーで、05年3月期売上高は64億5千万円。ネオジウムボンド磁石やHDDスピンドルモーター用磁石では、ワールドワイドでトップシェアを持つ。

▽最大エネルギ積 磁石が外部の空間に出すことができる磁石単位体積当たりのエネルギの最大値。単位はMGOe(メガガウスエルステッド)。

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