松下部品
φ18×40ミリ2.3V50F電気二重層コンデンサー

　松下電子部品は静電容量50F/2．3Vの電気2重層コンデンサー「ゴールドキャパシタ50F」（外形寸法φ18×L40ミリ）を開発し、9月から月産能力10万個で量産に入った。道路鋲などの太陽電池の2次電源用や玩具などのモーター駆動用、非常用電源用で採用が進んでいるパワー用の捲回型電気2重層コンデンサーの容量密度を同社従来品の4.4倍に上げ、静電容量を10Fから50Fに高容量化した。当面、道路鋲の太陽電池の2次電源用として、これまでの鉛蓄電池からの置き換えを進める。現在、月産600万個の電気2重層コンデンサーの80％を占めるメモリーバックアップ用の積層型から、20％のパワー用の捲回型にシフトして同コンデンサー事業の高付加価値化を図る。

　ゴールドキャパシタ50Fは同社従来品で使っていた天然のヤシがら活性炭から高容量のフェノール系の活性炭に代えて容量密度をこれまでの1.7倍に増やした。また、アルミ集電体に活性炭をつけるために使用するバインダーの粘着度を上げて活性炭密度を従来の1.6倍にした。

　アルミ集電体に活性炭をつける電極厚膜工法も溶液の活性炭をローラーの上に塗布して、均一にローラーでアルミ集電体に塗布する新工法に代え、膜厚をこれまでの1.6倍に厚くした。従来はアルミ集電体を活性炭溶液の中につけるディップ工法を用いていた。これらにより同社従来品の捲回型ではφ18×L35ミリの10F/2.5Vが最大容量品だったが、今回φ18×L40ミリで50F/2.3Vを実現した。内部抵抗0.1以下（1kヘルツ）。

　活性炭、有機電解液が主な構成材料で、これまで同様、鉛レス、ゴム封口形状。チューズを従来の塩ビからポリエチレンテレフタート（PET）に代えて地球環境保護設計とした。

　充放電サイクルは10万サイクル以上、100％以上の放電も問題なく、使用温度範囲もマイナス25-プラス60度Cと広い。60度C1千時間保証。今後、さらに高容量化を図り、表示板や街路灯などの太陽電池の2次電源用への拡大を図る。静電容量数千Fのネジ型も商品化する予定。

　電気2重層コンデンサーの生産工場であるコンデンサ事業部（京都府宇治市）に新工法に対応した電極工程を新設し、パワー用の捲回型の生産を増強している。