耐ラジカル性に優れ長寿命高機能のフッ素ゴムシール製品

　三菱電線工業は、耐ラジカル性と低パーティクル化により長寿命を実現した高機能フッ素ゴムシール製品「サンエラストEシリーズ」を開発し、販売を開始した。

　半導体製造においては、3D-NANDに代表されるようにウエハーを高アスペクト比にエッチングすることが求められるようになった。そのため、エッチング装置の高出力化が進み、装置自体のプラズマ環境がより過酷なものとなり、その結果、エッチング装置内のシール部品の消耗が早く進んでしまうという問題があった。

　新製品は、このような過酷なプラズマ環境における部品の長寿命化のニーズに応えた新素材のシール製品。

　半導体のエッチング装置に使用されるシール材料は、従来はフッ素ゴム（FKM）やパーフルオロエラスト（FFKM）を素材とする製品が主に使用されてきた。しかしながら、FKMは耐ラジカル性が低く、FFKMは耐ラジカル性に優れているもののラジカルクラックが発生しやすく、長寿命化が難しい素材だった。

　新製品は、FKMに比べて約20倍の耐ラジカル性を備え、また、FFKMよりも高い耐ラジカルクラック性を有している。

　これまでのシール材料は、劣化によるパーティクル発生や静電気による集塵が製品への異物混入の原因だったが、新製品は材料的な低パーティクル化に加えて、カーボンブラックや導電性フィラーを使用しない独自の帯電防止技術により、安定した低パーティクル化を可能にしている。

　そのため、半導体製造装置のメンテナンスコストの削減、製品歩留まりの向上にも効果がある高性能、長寿命を高いレベルで両立したシール製品。

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