白モノ家電向け基板実装タイプ静電容量式デジタル温湿度センサー

デジタル温湿度センサー 基板実装モジュールタイプ

　アルプス電気は８日、各種白モノ家電向けに、基板実装モジュールタイプの静電容量式デジタル温湿度センサー「ＨＳＨＣＡＬ１０１Ｂ」を開発したと発表した。市場ニーズに対応し、静電容量式デジタル湿度センサー「ＨＳＨＣＡＬシリーズ」を基板実装したモジュールタイプの製品を新たにラインアップした。１７年１月から量産開始する。

　空気清浄器や冷蔵庫、エアコンなどの白モノ家電では、快適性や省エネ性向上のため、様々な環境センシング機能搭載が進んでいる。

　これらの機器に使用されるセンサーは、従来はアナログ出力タイプが主流だったが、近年は測定データを機器側マイコンでＡＤ変換する必要のないデジタル出力タイプのニーズが高まっている。また、より正確な測定のためには機器内の適した場所へセンサーを設置する必要があり、メーン基板から離れた場所に取り付けるケースが多く、センサーを別基板へ実装・設置する必要があった。

　こうした市場ニーズに対し、既に発売済みの静電容量式デジタル湿度センサーのＨＳＨＣＡＬシリーズ（ＳＭＤタイプ）を基板実装したモジュールタイプの製品を新たに開発した。

　正確な温湿度測定がしやすい位置への取り付けを容易にするとともに、専用別基板の準備が不要なため製造工数削減に貢献する。センサー部は、ちりやほこりから保護するカバー構造を採用し、部品端子部を防湿膜で覆うことで信頼性を確保。２ＩＣインターフェイスに対応し、コネクタを搭載しているため、メーン基板への配線も容易。ＭＥＭＳタイプの民生用途向け静電容量式デジタル温湿度センサーの基板実装モジュールタイプの製品化は、おそらく今回のＨＳＨＣＡＬ１０１Ｂが業界で初めて。

　ＨＳＨＣＡＬシリーズは、独自のＭＥＭＳプロセス技術により業界トップクラスの小型・薄型を実現。１００％ＲＨ雰囲気（結露状態）での使用が可能。温度検出特性も５％の高精度タイプ。センサー内部には温度特性補正用ＡＳＩＣを内蔵し、機器側の周辺回路を簡素化できる。

　サンプル価格は１５００円（税込み）。長岡工場（新潟県長岡市）で１７年１月から量産を開始し、４月には月産１万個の生産を予定する。

　ＨＳＨＣＡＬ１０１Ｂの仕様は、外形サイズ２４×１６×高さ６.５ミリメートル。電源電圧２.５―５.５Ｖ。動作温度範囲−２０度―＋８５度。湿度感度６４ＬＳＢ／％ＲＨ。温度感度５０ＬＳＢ／度。測定精度は±５％ＲＨ（２５度／４０、６０％ＲＨ）。