高効率の電源回路向けハイブリッドインダクタ製品の拡充

スミダコーポレーションの ハイブリッドインダクタ 「ＣＤＭＴ４０Ｄ３０」

　スミダコーポレーションは２種類の金属材料を使用したハイブリッドインダクタ「ＣＤＭＴシリーズ」の製品ラインアップを拡充した。携帯機器からサーバー、通信基地局まで新たな市場を開拓するのが狙い。従来の４ミリ角の高さ２.１ミリメートルタイプに加え、高さ３.１ミリメートルと同４.１ミリメートルタイプを追加。１２月から量産を開始する。

　携帯機器では小型化が進むとともに、長時間でのバッテリ駆動が必須。また、サーバー、携帯電話基地局に代表される産業機器用製品においても、高効率の電源回路が求められている。

　パワーインダクタはフェライトコアを使った巻線タイプや積層タイプが一般的で、大電流対応としてメタル系コアによる巻線タイプが携帯機器で搭載が増えている。このほか、メタル系の薄膜タイプも供給。

　そうした中、同社は小型で高性能な電源回路に最適な高効率、低損失のインダクタとして、新たに２種類のメタル材料を使用したインダクタの提案を始めている。

　同シリーズは新たに開発した金属複合材によるモールド構造によって、高い電気的特性と高いシールド性を得ることに成功。同じサイズのメタル系インダクタと比較しても非常に小さい損失性能を実現し、広いレンジのインダクタンス値を有している。

　既に量産している「ＣＤＭＴ４０Ｄ２０」は４ミリ角サイズで高さが２.１ミリメートルと小型、低背タイプで、携帯機器向けなどに提案してきた。新たにラインアップした高さ３.１ミリメートルの「ＣＤＭＴ４０Ｄ３０」、同４.１ミリメートルの「ＣＤＭＴ４０Ｄ４０」はインダクタンスが拡大し、しかも大電流に対応できることから使用範囲を拡大できる。

　動作温度範囲は４０―１２５度。ＣＤＭＴ４０Ｄ３０はインダクタンスが３.３―６.８μＨ、直流抵抗が２３―６２ｍΩ、直流重畳許容電流が５―３.２Ａ。ＣＤＭＴ４０Ｄ４０はインダクタンスが８.２―１５μＨ、直流抵抗が５４―１０７ｍΩ、直流重畳許容電流が３.２―２.５Ａ。