最大24W出力電力の絶縁型モノリシック・フライバック・レギュレータ

　リニアテクノロジーは絶縁型ＤＣ／ＤＣコンバータの設計を大幅に簡素化するモノリシック・フライバック・レギュレータ「ＬＴ８３０４」の販売を開始した。新製品は熱特性が改善された小型ＳＯ−８パッケージで供給される。

　温度拡張グレードとインダストリアル・グレードはマイナス４０−１２５度の動作温度範囲で仕様が規定される。１千個時の参考単価は３・５５ドルからで、リニアテクノロジー国内販売代理店各社経由で販売される。

　ＬＴ８３０４は絶縁された出力電圧を１次側のフライバック波形から直接サンプリングするので、オプトアイソレータや３次巻線を使用せずにレギュレーションを行うことができる。３−１００Ｖの入力電圧範囲で動作し、２Ａ／１５０ＶのＤＭＯＳパワー・スイッチを内蔵しており、最大２４Ｗの出力電力を供給するので、テレコム、データコム、自動車用、産業用、医療、軍需などの様々なアプリケーションに最適。

　また、可変周波数電流モード制御のスイッチング方式であるバウンダリ・モードで動作するので、入力、負荷、温度の全範囲にわたり標準プラスマイナス５％の出力電圧レギュレーションを実現する。バウンダリ・モードなので、同等の連続導通モードの設計に比べて小型のトランスを使用できる。

　出力電圧は、２本の外付け抵抗とトランスの巻数比で容易に設定できる。データシートに記載されているいくつかの既成トランスを多くのアプリケーションで使える。

　このデバイスは集積度が高く、低リップルのＢｕｒｓｔ　Ｍｏｄｅ動作を使用するため、使いやすく、部品数が少ない高効率の絶縁電力供給ソリューションを実現できる。

　このほかに、出力短絡保護、１１６μＡの無負荷時暗電流、高精度のヒステリシス付きイネーブルおよび低電圧ロックアウト、内部のソフトスタートおよびループ補償、出力ダイオードの温度補償などを特徴としている。