カードリーダー型トークン向け16ビットフラッシュ内蔵マイコン

「Ｓ１Ｃ１７Ｍ１０」

　セイコーエプソンはハンディタイプのカードリーダー型トークン向けとして、動作電流を５０％低減し動作速度４倍を実現した低消費電力１６ビットフラッシュメモリー内蔵マイコン「Ｓ１Ｃ１７Ｍ１０」を開発、このほどサンプル出荷を開始した。

　６月に量産出荷を開始し、月産２０万個を予定している。Ｓ１Ｃ１７Ｍ１０　ＴＱＦＰ１５−１２８ピンパッケージのサンプル価格は５７０円（税別）の予定。

　同社では低消費電力を特徴としたオリジナルの１６ビットフラッシュメモリー内蔵マイコンで、様々なモバイル機器への組み込み提案を行い、顧客から好評を得ている。

　近年では、ネットワークバンキングなどを利用するユーザーへ、セキュリティ強化を目的にトークンを配布する金融機関が増えていることから、特にトークン向けで採用されることが増えている。その中で同社のマイコンは、トークンの小型化や電池の長寿命化に貢献している。

　新商品Ｓ１Ｃ１７Ｍ１０は、エプソンとしては初めてカードリーダー型トークン向けに開発したマイコン。同型トークンは、ユーザーの持つスマートカードと通信しながらパスワードを発行する機器で、他形式のトークンよりセキュリティ性が高い一方、カードとの通信制御が必要となり電力消費量も増加する傾向にある。

　そこで同商品では、スマートカードインターフェイス（ＩＳＯ７８１６−３準拠）機能を搭載。動作電圧が１.８−５.５Ｖと広範囲ながら、どの電圧状況でもＲＴＣモードで０.６μＡ、動作電流１４５μＡ−メガヘルツ（いずれもｔｙｐ値）を達成した。さらに最大動作周波数も１６.８メガヘルツとした。