車載機器向けフローティング機構搭載の0.5ミリピッチ基板対基板コネクタ

ＳＭＫのフローティングコネクタ

　ＳＭＫは２５日、ディスプレイオーディオやレーダーなどの車載用機器向けに、フローティング機構を搭載した０.５ミリピッチ基板対基板用コネクタ「ＰＢ―Ｆ１シリーズ」を開発したと発表した。高い接触信頼性を確保しつつ、業界最小クラスの基板占有面積を実現した。製品の小型化・高速伝送対応を実現する製品として、今後、積極的な拡販を推進する。

　近年、車載用機器では情報量の増加による信号の多極化とセットの小型化が求められており、基板対基板コネクタの需要が高まっている。同社はこうした要求に対応し、製品の小型化・高速伝送対応に加えフローティング機能を搭載した基板対基板コネクタを開発した。同製品は同社独自の構造により高い接触信頼性を確保しつつ、業界最小クラスの基板占有面積を実現した。

　フローティング構造として幅・奥行き・高さ方向にプラスマイナス０.５ミリメートルの基板間の位置ズレに対応する。ＥＭＩ対策として全面シールド構造を有しており、差動インピーダンス１００Ωにマッチングしている。転送速度６ギガｂｐｓまでの高速信号の伝送が可能。微摺動摩耗対策をしており、高接触信頼性を有している。

　用途は、車載用機器（ディスプレイオーディオ、車載レーダーなど）や産業機器。

　主な仕様は、定格電圧電流ＡＣ／ＤＣ５０Ｖ、０.５Ａ。接触抵抗３０ｍΩ以下。絶縁抵抗ＤＣ１００Ｖ、１００ＭΩ以上。耐電圧ＡＣ１００Ｖ（１分間）。使用温度範囲はマイナス４０―プラス１２５度。

　同社は、コネクタ事業拡大のための重点市場に車載市場を掲げ、カーエレクトロニクス機器市場向けコネクタ事業の積極的な拡大を推進している。

　車載用コネクタ２桁増

　今期４月以降も車載用コネクタ事業売上高は前年同期比２桁増のペースで推移しており、通期でも２桁増を達成できる見込み。「将来的には、自動車用コネクタで売上高１００億円を目指す」（池尾政信執行役員ＣＳ事業部長）。