60V同期整流型で48Vから1Vへ直接降圧可能な降圧コントローラ

インターシルの６０Ｖ同期整流型降圧 コントローラ「ＩＳＬ８１１７」

　インターシルは産業機器で使用されてきた中間降圧段を不要にする、初の６０Ｖ同期整流型降圧コントローラ「ＩＳＬ８１１７」を発表した。

　新製品ははデューティ・サイクルが低く（最小オンタイム：４０ｎｓ）、４８Ｖから１Ｖポイント・オブ・ロード（ＰＯＬ）への降圧を直接行える。この技術により、産業、ＦＡ、医療、通信インフラ機器向け電源システムの複雑さとソリューション・コストを低減できる。

　ＩＳＬ８１１７コントローラは出力電圧／入力電圧比が小さなアプリケーション向けに、コスト効率と信頼性の高いソリューションを提供。バレー電流モードとアダプティブ・スロープ補正により、広い入力／出力電圧範囲で安定した動作を実現しながら、外部補正を不要にする。また、周波数を２メガヘルツまでの範囲で調整できるため、システム設計時に電源回路のコスト、サイズ、効率の最適化が可能になる。

　さらに、性能を犠牲にせずに、ソリューション・フットプリントの低減と設計を簡素化。設計仕様値を使用頻度の高い機能に合わせて設定すると同時に、広い入力／出力電圧範囲に対応しているため、競合ソリューションに比べて、外付け部品点数を削減できる。

　ＩＳＬ８１１７と、ＭＯＳＦＥＴや受動部品などわずか１０個の部品を組み合わせて使うだけで、最大変換効率が９８％、出力電圧精度が１.５％の包括的なＤＣ／ＤＣ降圧ソリューションを実現できる。

　入力電圧範囲が４.５―６０Ｖと広く、５Ｖ、１２Ｖ、２４Ｖ、３６Ｖ、４２Ｖ、４８Ｖを含む全ての標準入力レールに対応。出力電圧範囲は０.６―５４Ｖの範囲で設定可能。

　ＩＳＬ８１１７は４ミリメートル角のＱＦＮと６.４×５ミリメートルのＨＴＳＳＯＰパッケージで出荷が開始されており、１千個一括購入時の単価はＱＦＮパッケージ版が１.８ドル、ＨＴＳＳＯＰパッケージ版が１.９５ドル。