業界最低背・面積最小クラスのnanoSIMカード用コネクタ2種

航空電子のnanoSIMカード用コネクタ 「ＳＦ７０／７２シリーズ」

　日本航空電子工業はＳＩＭ系のカード用コネクタを事業拡大のための重点製品の一つに位置付け、積極的な品ぞろえ拡充を進めている。新製品として業界最低背クラス・面積最小クラスのｎａｎｏＳＩＭカード用コネクタ２種を開発、量産を開始した。小型低背かつ高信頼性を強みに、スマホやタブレット端末市場への積極的な拡販を推進する。

　開発したのは�@プッシュ―イジェクトトレータイプ「ＳＦ７０シリーズ」と�Aプッシュ―プッシュタイプ「ＳＦ７２シリーズ」。高さは両シリーズともに業界最低背クラスの１.２５ミリメートル。面積はＳＦ７０が１９６.８平方ミリメートル、ＳＦ７２が１６０.平方ミリメートルと、各タイプで業界最小クラスを実現した。

　「新製品は小型低背化とともに、高耐久性や耐落下衝撃性などのための様々な工夫を取り入れ、信頼性に優れた製品。カードイジェクト量を大きく設計することでユーザーの使い勝手向上にも貢献する」と森野辰一・プロダクトマーケティング本部長は話す。

　ＳＦ７０シリーズは、トレーにＳＩＭカードを搭載し、そのままトレーごと挿抜するプッシュ―イジェクト方式のトレータイプコネクタ。機器の薄型化に伴い、ＳＩＭカードコネクタがスマホなどの筐体側面に搭載される場合が多いことに対応し、顧客側でトレー（意匠面）を端末筐体のデザインに合わせて製作可能。独自のトレイロック構造により、端末落下時にカードが外に飛び出すことなく保持される高い落下衝撃性を実現した。

　ＳＦ７２シリーズは、ＳＩＭカードを機器に内蔵して使用する場合などに適したプッシュ―プッシュタイプ。カードイジェクト量を大きく設計することで良好な操作性を実現する。

　優れた落下衝撃性

　ＳＦ７０は、高さ１.２５ミリ×幅１３.３ミリ×奥行き１４.８ミリメートル。独自のロック構造により、耐落下衝撃性を実現した。はんだ付け端子部の目視検査が対応可能な構造。トレー誤挿入防止対策、カード検出スイッチ（ノーマルオープン）付き。

　ＳＦ７２は、高さ１.２５ミリ×幅１１.２ミリ×奥行き１４.３ミリメートル。機構面の工夫によりカードイジェクト量を大きく設計（３.９ミリメートル）、良好な操作性を確保している。カード誤挿入対策、カード検出スイッチ（ノーマルオープン）付き。

　グランドも強化

　両シリーズともにＥＭＩ対策として、グランド強化のため多点のホールドダウンをバランス良く配置。鉛フリー／ハロゲンフリー対応。自動実装対応。両シリーズともに月間１００万個の販売を見込む。

　極数は６極。定格電流０.５Ａ／端子。定格電圧１０�X／端子。耐電圧ＡＣ５００�Xｒｍｓ　１分以下。使用温度マイナス２５―プラス８５度。挿抜寿命最大５千回。

　同社はカード用コネクタ事業では、ＳＩＭ系およびメモリー系を中心に多彩な製品を品ぞろえし、グローバルで高い実績を持つ。「特にＳＩＭ系は堅調で、今後も品ぞろえ強化に努める」（森野本部長）。