各種小型電源のノイズ対策用高性能ラインフィルタSSR１０シリーズ

　ＮＥＣトーキンは、小型高性能のラインフィルター「ＳＳＲ１０シリーズ」を開発、今月から量産を開始する。月産５０万個で生産を開始し順次、規模を同５００万個まで拡大する予定。

　品種は横型、縦型、横型分割ボビン、縦型分割ボビンの４タイプ。それぞれ１１定格（０.４―３Ａ）の合計４４仕様を標準ラインアップした。

　１２年に発売開始したＳＳＲ２１シリーズと合わせて、ＳＳＲシリーズは合計８８仕様の豊富なラインアップとなる。

　新シリーズは、同社が開発した高透磁率・高抵抗のノイズ対策用フェライト「Ｓ１５Ｈ」を使用し、形状を歯車型とし、磁気回路、製品構造を高密度化することにより、業界最高水準の高特性と小型、軽量化を実現した。また、直流損失も低減しており省エネにも貢献する。

　ラインフィルターを大きくせずにインダクタンス値を上げるには、使われる銅線径を細くし、巻数を多くする方法が一般的。しかし、定格電流が下がり、直流抵抗も上がる。

　今回、同社ではラインフィルターの磁芯に高透磁率・高抵抗のノイズ対策用フェライトＳ１５Ｈを使用し、磁気回路、製品構造を高密度化することで、ラインフィルターの性能の目安となるインダクタンス値を約３５％以上向上させるとともに、製品サイズを約２０％小型化、重量を約１５％以上軽量化した。 　一方で、損失や発熱原因となる直流抵抗は５％以上抑制している。

　液晶テレビやＢＤレコーダなどＡＶ機器、プロジェクタ、複合機などＯＡ機器、冷蔵庫、エアコン室内機などエコ対応家電、その他の各種小型電源など、様々な分野でのノイズ対策に適する。