ＰＣＩ-ＳＩＧ規格Ｍ．２対応のコネクタ「ＳＭ３シリーズ」の拡張版２種

　日本航空電子工業は、ノートＰＣやタブレット端末用のＰＣＩ―ＳＩＧ規格Ｍ．２対応コネクタ「ＳＭ３シリーズ」のバリエーション拡充として、業界最低背クラスの落とし込みタイプなど２種類を開発した。

　ノートＰＣの薄型化やタブレット端末の普及、信号の高速化などにより、モジュール用カードコネクタも小型・薄型・高速伝送対応が求められている。同社は、ＰＣＩ―ＳＩＧ　ＰＣＩエクスプレスＭ．２スペシフィケーション準拠カードエッジコネクタ「ＳＭ３シリーズ」を開発、販売してきた。今回、一層の低背要求に対応し、業界最低背の落とし込みタイプなど２種類（オンボード実装・高さ２.１５ミリメートル、落とし込み実装・高さ１.２ミリメートル）を開発したもの。

　ＰＣＩｅ　Ｇｅｎ３をはじめ、ＵＳＢ３.０、ＳＡＴＡなど高速信号の伝送が可能。０.５ミリピッチ（前後１例）、６７芯の小型カードエッジコネクタ。落とし込み実装タイプは業界最低背クラスの高さ１.２ミリメートルで顧客の設計自由度を向上。高さ２.１５ミリメートルオンボード実装タイプは同規格中で最低背の高さで、モジュールの斜め挿入により客先側の作業性を向上。

　今回の２種を合わせ、ＳＭ３のバリエーションはオンボード実装３種類（高さ４.１／３.１／２.１５ミリメートル）と落とし込み１種類の計４種類となった。セットの筐体デザインに合わせた製品高さの選択や薄型デバイスへの搭載が可能。用途の違いによる極性キーバリエーションを用意している。

　用途はノートＰＣ、タブレットＰＣ、ポータブルゲーム機、ＳＴＢなど。サンプル価格は１１５円。販売見込みはシリーズ合計で月間５００万個。

　使用温度はマイナス４０―プラス８０度Ｃ。定格電流０.５Ａ／１ピン。耐電圧ＡＣ３００Ｖｒｍｓ（１分間）。

　同社は、情報機器用コネクタ事業の拡大に向け、ＰＣＩ―ＳＩＧ規格Ｍ．２対応カードエッジコネクタの展開にいち早く取り組み「トップクラスのシェアの確保を目指す」（森野辰一・プロダクトマーケティング本部長）としている。

▽ＰＣＩ―ＳＩＧ規格Ｍ．２（ＰＣＩ　Ｅｘｐｒｅｓｓ　Ｍ．２）
　ノートＰＣなどの薄型化や内部バス高速化に対応するため、ＰＣ関連の標準化団体であるＰＣＩ―ＳＩＧが１３年に規格化した。通信モジュールやＳＳＤ等のｍＳＡＴＡなどの接続を、より小型で高速に伝送可能。