高リップル耐性・高実効容量の金属端子付き積層セラミックコンデンサ

　村田製作所は、高リップル耐性、高実効容量を実現した金属端子付き積層セラミックコンデンサの量産を９月から開始した。

　新開発のセラミック材料の採用で、自己発熱が少ない高リップル耐性の積層セラミックコンデンサを実現した。新セラミック材料によってＤＣバイアス印加時に静電容量が低下する性質を抑え、高実効容量を確保した。積層セラミックコンデンサに弾性作用を持つ金属端子を付け、コンデンサ素子および実装はんだへの衝撃を軽減した。

　一般用「ＫＲ３シリーズ」と自動車用「ＫＣ３シリーズ」を取りそろえた。生産工場は出雲村田製作所（島根県出雲市）。 　ＫＲ３シリーズは、ＪＩＳ規格に準拠し、熱ストレスや振動・衝撃がかかるＬＥＤ照明、スイッチング電源、ＡＣアダプタの力率改善（ＰＦＣ）回路用、一般電子機器のＤＣ―ＤＣコンバータなどに供給する。

　ＫＣ３シリーズは、車載電子部品規格のＡＥＣ―Ｑ２００に準拠。エンジンやＥＣＵ、駆動系制御、セーフティ機器などに適している。

　新セラミック材料は、周波数２５０キロヘルツ　時で従来材料の約１.６倍の電流許容量がある。静電容量１μＦ品の場合、周波数２５０キロヘルツ　時、発熱温度が２０度Ｃになる時の電流許容量は従来材料商品が２.９Ａｒｍｓに対し、新材料は４.７Ａｒｍｓと、高リップル耐性を実現している。

　また、ＤＣバイアス印加時の静電容量の低下が小さく、高い実効容量を確保できる。ＤＣ２５０Ｖ印加時で約２倍の静電容量を確保した。

　ＫＲ３シリーズ▽定格電圧２５０―６３０ＶＤＣ▽静電容量０.１―２.２μＦ▽外形寸法６.１×５.３×高さ２.８―６.４ミリメートル▽温度特性Ｘ７Ｔ。

　ＫＣ３シリーズ▽定格電圧２５０―６３０ＶＤＣ▽静電容量０.１―２.２μＦ▽外形寸法６.１×５.３×高さ２.８―６.４ミリメートル▽温度特性Ｘ７Ｔ。