VGA画像/フルHD画像を同時に処理可能な1チップシステムLSI

　パナソニックは、世界で初めて１チップでＶＧＡ画像１２系統またはフルＨＤ画像３系統を同時に圧縮再生処理できる高画質・多チャンネル対応配信向けシステムＬＳＩ「ＰＨ１―Ｐｒｏ４」を開発した。今月からサンプル出荷を開始する。システムＬＳＩビジネスユニットが開発した。複数のＴＶ、スマートフォン、タブレット、ＰＣなどでそれぞれ異なる画像を同時に視聴可能なホームサーバーを容易に実現できる。セキュリティ監視システム、デジタルサイネージなど、様々なクラウド製品にも応用でき、クラウドサービスの普及拡大を図れるとみている。

　開発したシステムＬＳＩは、高速デュアルコアＣＰＵ「ＡＲＭ　Ｃｏｒｔｅｘ―Ａ９Ｄｕａｌ」（動作周波数最大１.４ギガヘルツ　）と同社オリジナル高速並列メディア処理プロセッサＩＰＰ３（１ギガヘルツ　）、並列データ演算プロセッサＤＰＰ２（５００メガヘルツ　）を搭載。８２５ピン３５ミリメートルＢＧＡパッケージで供給する。電源電圧３.３／１.５／１.１Ｖ、外付けＤＲＡＭ３２／４８／６４ビットＤＤＲ３―１６００対応。

　ディスプレイのサイズに合わせてフォーマット変換し、複数コンテンツをコマ落ち、フリーズなしに配信できる。フルＨＤ３系統、フルＨＤ２系統とＨＤ２系統という、ＶＧＡ１２系統の同時再生処理が可能。ホームサーバーなどに適用できる。

　また、フルＨＤ画像を画像音声品質を保ったまま、その時々の最適なデータ圧縮をしてネットワーク通信が可能。コマ落ち、フリーズすることなく映像を転送し、再生できる。フルＨＤの臨場感コミュニケーション機器やクラウドサーバー内変換機などに適用することができる。

　高速処理を必要とする画像認識処理は、並列メディア処理プロセッサと並列データ演算プロセッサを用いて、汎用性の高い標準ＡＰＩ（Ｏｐｅｎ　ＣＶ）互換の独自ソフトウエアを組み合わせることで柔軟に協調処理でき、画像認識技術を幅広い応用分野に適用できる。

　４Ｋ２Ｋ３０ｐ映像の再生やフルＨＤから４Ｋ２Ｋへのアップコンバートを１チップで実現でき、４Ｋ２Ｋ画像の再生システムを簡単に構築することが可能。