121017_01
日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
10月17日 |
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ローム |
半導体素子 |
ディスクリート |
一般民生用 |
高級オーディオアンプ向けシリコンカーバイドのMOSFET
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ロームは、シリコンカーバイド(SiC)―MOSFETの新しい用途として高級オーディオ用アンプを加え、同アンプ向けにも営業活動を始める。
DCアンプ設計の第一人者、金田明彦元秋田大学助教授が自作DCアンプの半導体パワーアンプにロームのSiC―MOSFETを採用。アンプ用半導体パワーアンプとして一般的に使われているシリコン(Si)パワーMOSFETの大電流型MSOFETと聴き比べ、音の鮮やかさ、楽音変化の多彩な表現力などでSiC―MOSFETが優れていると高く評価。シーテック会場の同社ブースと13日の西東京・コール田無の2会場で開催したSiC―MOSFET搭載DCアンプ試聴会に参加したオーディオマニアからも好評なことから、SiC―MOSFETを高級オーディオ用アンプ向けにも拡販することにした。
SiC―MOSFETのターゲット市場としている家庭用インバータ、パワコン、各種電源、電力機器、電気自動車、ハイブリッド車、輸送機器、特殊作業機器などに高級オーディオ市場を追加。10年度売上高17億円、11年度32億円だったSiC関連事業を12年度36億円、14年度102億円に拡大する売上げ計画を加速する。
今回のDCアンプに使用されたSiC―MOSFETは6月にサンプル出荷し、7月から量産を開始した第2世代SiC―MOSFET。ボディーダイオードに順方向電流を流せるようにし、オン抵抗を80mΩに抑え、耐圧も1200Vに高めた。これにより、パワコン、各種電源、電力機器用途ではさらに損失低減、効率向上を実現。高周波機器の信頼性を向上したい溶接機、誘導加熱装置などの工業用電源や機器全体の小型化、200度C以上の高温動作が求められる電気自動車、ハイブリッド車、輸送機器、特殊作業機器などでも採用が進むと期待している。
ロームは、10年4月に国内メーカーのトップを切ってSiCショットキーバリアダイオード(SBD)の量産を開始。同年10月には世界で初めてSiC―MOSFETの量産を始めた。今年3月からは内蔵するパワー半導体素子を全てSiCで構成した世界初のフルSiCパワーモジュールの量産を開始。6月にはSiC―SBD、SiC―MOSFETの第2世代品を相次いで市場投入するなど、SiCパワーデバイス、SiCパワーモジュール事業を立ち上げている。
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