16感熱素子／センサーで応答性向上の赤外線アレイセンサー

　NECトーキンは、一つのセンサーに１６個の感熱素子を４×４の格子状に配置した焦電型赤外線アレイセンサーを開発した。人の動きをキメ細かに検知でき、ユーザーインターフェイスやセキュリティ分野への応用に向けて、１年後の製品化を目指す。

　同センサーは、人体や熱源から発せられる赤外線をセラミックスが吸収し、その温度変化によって電荷が生じる焦電効果を利用して、人の動きなどを検知するもの。

　人の動きをキメ細かに捉えるには、センサーの高速な時間応答性が重要。長年培った材料技術や製造技術を精査し、セラミック材料を原料から見直して、新たに最適な材料組成を見いだした。また、特に素子の膜厚を精密に制御することで材料の特性を最大限に発揮させ、従来比２０倍の応答性を達成した。

　さらに、同センサーの感熱素子の数を増やしたり、センサーを複数並べて用いたりすることで、複数の人や熱源の動きまでより精緻に検知できる。

　低電力で動作し、またカメラとの連携により死角のない画像システムの構築も可能。ＮＥＣの優れた画像解析技術やクラウドでの情報処理技術との連携で、安心安全で快適に暮らせる社会を実現する新しいビジネスを創出していく。