供給電力90Ｗの高効率PD インターフェイスコントローラ「LT4275」

　リニアテクノロジーは、最大９０Ｗの供給電力を実現した高効率の受電装置（ＰＤ）インターフェイスコントローラ「ＬＴ４２７５」を発売した。イーサネットケーブルで給電を行う各種ＰｏＥ規格に準拠する。価格は１千個受注時１.４５ドルから。

　新製品が準拠する規格の一つ「ＰｏＥプラス」は、ＰＤへの最大供給電力を２５.５Ｗに制限しているが、基地局や屋外カメラなどの用途では、より多くの電力を必要とし、十分な電力を得られなかった。

　同社では「ＬＴＰｏＥプラスプラス」として、電力供給能力を四つの電力レベル（３８.７／５２.７／７０／９０Ｗ）に拡張した。また、ＬＴＰｏＥプラスプラスは、給電装置（ＰＳＥ）コントローラとＰＤコントローラが、ＩＥＥＥ規格の装置と相互運用性を維持しながら、互いに通信できる分類方式を採用している。

　新製品のうち、ＬＴ４２７５Ａは、ＬＴＰｏＥプラスプラス、ＰｏＥプラス、ＰｏＥの全規格をサポート。同４２７５ＢはＰｏＥプラスとＰｏＥに、同４２７５ＣはＰｏＥに対応する。

　パワーＭＯＳＦＥＴを内蔵する従来のＰＤコントローラと異なり、新製品は外部ＭＯＳＦＥＴを制御するため、ＰＤ全体の熱損失を大幅に低減。電力効率を最大限に高められる。アプリケーション固有の発熱や効率要件に合わせて、ＭＯＳＦＥＴのサイズを調整できるほか、必要に応じて３０ｍΩという低いオン抵抗のＭＯＳＦＥＴも使用できる。

　新製品は、ＰＳＥがＰｏＥ、ＰｏＥプラス、ＬＴＰｏＥプラスプラスのどの規格に対応したハードウエアであるかを認識し、それに応じた効率的な電力配分を行うため、ＰＤの使用量を占める分類をユーザーが設定できる。

　入力電圧の絶対最大定格は１００Ｖ。一般的なイーサネットラインのサージ電圧に耐えられるほか、サージ電圧からＰＤを保護できる。パッケージは小型１０ピンＭＳＯＰ、３ミリメートル角サイズＤＦＮパッケージの２種がある。