高低差50cmの気圧差を検知するMEMS絶対圧センサー

　オムロンは、50センチメートルの高低差における気圧の変化を正確に検知する「MEMS絶対圧センサー」を開発し、13年1月から量産出荷を開始する。

　CMOS回路とMEMSセンサー部を一体化（チップサイズ1.9×1.9×厚み0.5ミリメートル）し、3.8×3.8×厚み0.92ミリメートルの小型パッケージに収めた。

　検出範囲は300―1100hPaと広い。約50センチメートルの高低差の気圧変化に相当する6Paの相対圧力精度を実現した。

　温度センサーを内蔵し、センサー周囲温度の変化に対する気圧変動影響の補正が可能。

　IC出力方式を採用し、シリアル通信に対応。0.5―9.5μAの低消費電流で電池の長寿命化に貢献できる。

　検出原理は抵抗体に加わる応力によって抵抗率が変化するピエゾ効果を用い、圧力を電気信号に変換するピエゾ抵抗方式を採用。大気圧の変化を検知するためＭＥＭＳ接合技術を用い、センサーチップ内部を真空封止。真空に対する大気圧の差（絶対圧）を検知する。

　MEMS接合技術でセンサーチップ内部の真空チャンバー容積を大きく取れ、センサーの入力ダイナミックレンジを最大化でき、高精度化を実現した。