120614_01
日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
6月14日 |
1200614_01 |
ローム |
半導体素子 |
ディスクリート |
一般産業用 |
オン抵抗80mΩ耐圧1200Vの第2世代SiC-MOSFET
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ロームは、オン抵抗80mΩを実現した1200V耐圧の第2世代シリコンカーバイド(SiC)―MOSFETを開発した。ボディダイオードに順方向電流を流せるようにしたSiC―MOSFETの第2世代品。6月にサンプル出荷を始め、7月から量産を開始する。1700V耐圧品もサンプル出荷中。第1世代のSiC―MOSFETは、ボディダイオードに順方向電流を流れないようにしたカスタム品だったため、チョッパ回路にしか使われていなかった。
今回の第2世代品はインバータやコンバータ向けに使える汎用品のため、これまでのパワコン、各種電源、電力機器用途では、さらに損失を低減し効率をアップできる。高周波機器の信頼性を向上したい溶接機、誘導加熱装置などの工業用電源や機器全体の小型化、200度C以上の高温動作が求められる電気自動車、ハイブリッド車、輸送機器、特殊作業機器などへの導入が進むとロームでは期待している。
世界で初めてSiC―ショットキーバリアダイオード(SBD)とSiC―MOSFETを1パッケージ化した汎用品として供給する。前工程はローム・アポロ筑後工場(福岡県筑後市)で、後工程はフィリピン、タイ、韓国の3工場で行う。価格も向こう1、2年以内にシリコン(Si)―絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)の3―5倍以下に抑え、Si―IGBTからの置き換えを加速する。
新開発のSiC―MOSFETは、ウエハーとエピの結晶欠陥を抑えプロセスとデバイス構造を改善。SiC―MOSFETで課題となっていたボディダイオード通電による特性劣化を抑え、オン抵抗の上昇を起こらないようにした。
また、ゲート酸化膜の初期故障もプロセスの最適化、SiC特有のゲート酸化膜のスクリーニング技術の確立でなくした。Si―IGBTで発生していたテイル電流もなくせ、ターンオフ時のスイッチングロスを90%削減できる。Si―IGBTで不可能な50キロヘルツ以上のスイッチング周波数が可能となり、周辺機器の小型、軽量化できる。
チップを30%小型化
これらにより、単位面積当たりのオン抵抗を第1世代品より約30%削減し、チップサイズを約30%小型にできた。ジャンクション温度150度C保証。DC電流35A、パルス電流80A。TO247パッケージでSiC―MOSFETとSiC―SBDを1パッケージ化したSiC―SBDありタイプと、SiC―MOSFETだけのSiC―SBDなしタイプの2品種を用意した。
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