無線通信機器向けコンプレッションタイプのスパイラルコネクタ

　ヨコオは、無線通信機器用コネクタとして、低背化による省スペース化と安定した導通を実現するコンプレッションタイプの「スパイラルコネクタ」＝写真＝を開発、低背コネクタ製品群を拡充した。今月末からサンプル出荷を開始する。

　無線通信機器分野では、スマートフォンなどの高速通信が可能で多機能なモバイル機器の普及・発展に伴って、一層の部品高密度化が求められている。同社はこうしたニーズに対応して、主力製品のスプリングコネクタ（SPC）の長所を生かしつつ、発想を異にした構造のコネクタを製品化したもの。

　スパイラルコネクタは、主に機器の内部信号接続用に、単部品構成による高生産性と低価格化を図った製品。金属板を独自の形状に加工して、ばね構造を形成しており、１部品でありながらSPCと類似した特徴を有する（特許出願中）。最外径はφ2.3ミリメートル、使用レンジは0.35ミリメートルとし、SPCの特徴の省スペース、高ストロークなどの機能を備えつつ、SPCでは困難だった使用高さ2ミリメートル以下を実現した。

　特徴は（1）低コスト化と機能性（省スペース・高ストローク）の両立（2）低背化と安定した導通性の両立（3）過負荷による塑性変形を防止する形状（4）自動実装に対応可能。

　標準品として6月に生産を開始し、12年度は月産１千万ピンの生産規模を計画する。

　仕様は定格12V1A。接触抵抗５0mΩMax。耐久性は接触抵抗100mΩ　Max　動作回数5千回。耐環境性は従来品と同等。