車載ナビゲーション市場向け超小型「GNSS用アンテナ」

　ヨコオは、車載市販市場向けにナビゲーションシステムの位置情報の精度向上に寄与する超小型「ＧＮＳＳ用アンテナ」を開発、市場投入する。

　既存のナビゲーションシステムは、米ＧＰＳ衛星からの情報で位置情報を特定して運用されるが、軍事衛星のため、有事には情報に一定の制限がかけられるなどのリスクがある。このため各国・各地域では、各政府などの主導で打ち上げた準天頂衛星と既存ＧＰＳ衛星とを併用する独自のナビゲーションシステムを保有する動きがあり、今後、グローバルでの共存／相互運用、不測位エリアの解消、さらにＩＴＳの高度化を見据えたＧＮＳＳへの展開が進むと見込まれている。

　同社はこうした動きに対応し、ＧＰＳだけでなく、ＧＬＯＮＡＳＳ（ロシア）、Ｇａｌｉｌｅｏ（欧州）の二つのシステムにも対応可能なコンビネーションタイプのＧＮＳＳアンテナを新開発した。形状は、アフターマーケット向けとしての商品性を重視し、オンダッシュタイプとした。

　超小型ＧＮＳＳアンテナはＧＰＳ、ＧＬＯＮＡＳＳ、Ｇａｌｉｌｅｏの各周波数が共用可能な自社開発内製セラミックパッチアンテナを使用し、小型化と同時に高い受信性能を実現した。アンテナのチューニングで北斗システム（中国）への転用も可能。形状面は、ＧＮＳＳ対応アンテナとして業界最小クラスのアンテナサイズ（２８.２×２８.２ミリメートル）を実現。車室内専用のオンダッシュ仕様で取り付けが簡便。

　同社は、日本／海外の市販・ディーラオプション向け標準製品として、同ＧＮＳＳアンテナを今年夏から順次納入開始する予定で、現在、中国工場（東莞市）で量産に向けた準備を進めている。