120426_01
日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
4月26日 |
120426_01 |
三菱電機 |
半導体素子 |
ディスクリート |
一般産業用 |
14ギガヘルツ帯で出力100WのHEMT増幅器
三菱電機は、世界で初めて14ギガヘルツ帯(Ku帯)で出力100Wを実現するHEMT(高電子移動度トランジスタ)増幅器を開発し、13年3月期中にも製品化する。同周波数帯を用いる衛星通信の送信システムを、手で持ち運べる程度にまで小型化、軽量化できるようになる。
開発したHEMT増幅器は、材料にGaN(窒化ガリウム)を採用した。従来、高周波デバイスに用いられるGaAs(ガリウムヒ素)に比べ、GaNは材料として特性が優れ、出力を5倍程度高められ、より高い周波数にも対応する特性を持つ。
三菱電機では、これまでもGaNを用いて衛星通信送信器向けの増幅器を開発、製品化。11年にはC帯(4ギガ―8ギガヘルツ )で出力100Wを達成した製品を開発していた。
今回の増幅器は、C帯よりも高周波帯で高速・大容量通信を実現するKu帯衛星通信向け。これまでのKu帯増幅器の出力は、GaAs品で20―25W、GaN品でも60Wにとどまっていた。
これに対し、今回開発した増幅器は、トランジスタ構造の見直しや電力合成回路の改良による低損失化を図った結果、世界初の100W出力を達成した。
1素子で100Wの出力を確保したことによって、GaAs品では七つの増幅器を用いていた送信増幅システムを三つのデバイスで実現。180平方センチメートルだった同システムの大きさを、6分の1の30平方センチメートルにまで小型化することが可能となった。
小型化により、これまではアンテナと別に設置していた同システムを、アンテナトップと呼ばれる部分に実装、一体化することができる。
「増幅器とアンテナ間での信号損失も軽減できるため、消費電力低減、電源部の小型化も図れ、従来は車などでの移動が不可欠だった衛星通信送信システムを可搬型に小型化できる」(同社)。
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