電源ラインのノイズ対策用巻線コモンモードフィルター

　TDKは、小型電子機器の電源ラインにおけるコモンモードノイズ対策用として、巻線コモンモードフィルター「ACP3225シリーズ」を開発し、当初月間40万個で量産を開始した。12年度には同150万個に引き上げる計画。サンプル価格は80円。

　新製品は、ハイμ（透磁率）化し、コア損失を低減した低損失Ni―Zn系フェライトを採用するとともに、最適設計の構造、精密巻線技術を用いて開発。

　従来の4.5×3.2ミリメートルサイズに比べ、3.2×2.5ミリメートルサイズへ小型化しながらも、コモンモードインピーダンス値は800Ωから1千Ωへと高め、定格電流も1Aから1.2Aへと大電流対応を実現した。

　小型の電子機器は多機能化が進んでおり、連続での使用や大きな負荷での利用機会が増大し、電源回路におけるノイズ対策の重要性が高まっている。新製品は、高密度実装化への対応と高コモンモードインピーダンス、大電流対応を両立した。