複数のICを内蔵できる銅コアを有する部品内蔵配線板

　太陽誘電は、複数のICを内蔵できる銅コアを有する部品内蔵配線板「EOMIN」の技術を開発、商品化する。スマートフォンなどの小型モバイル機器に搭載されるカメラモジュール向けの部品内蔵配線板で、複数のICを内蔵することでカメラモジュールの制御機能と電源機能を8.3ミリメートル角のサイズで実現。カメラモジュールの大幅な小型化が可能になる。既にEOMINについては、月間500万個以上の量産体制を確立しており、今回の新たな技術導入によって、通信モジュール分野における用途拡大に弾みをつける。

　EOMINの特徴である銅コアを薄型化することで、基板の厚みを従来の0.48ミリメートルから0.38ミリメートルへ約20％削減し、スマートフォンなどの小型モバイル機器の薄型化にも貢献する。

　スマートフォンなどの小型モバイル機器に搭載されるカメラモジュールは、高画素化やオートフォーカス機能などの多機能化・高性能化が進むと同時に、小型・薄型であることが強く求められている。

　これまでのカメラモジュールでは、電源機能はモジュールの外部に配置していた。今回開発した新製品は、IC実装技術を高精度化することで複数のICの内蔵を可能とするとともに、インダクタ機能の内蔵にも成功。カメラモジュールの制御機能と電源機能を一つの基板に内蔵することを可能にした。

　EOMINは、銅コアを有することによって、一般的な部品内蔵基板に比べてノイズ耐性、放熱性、剛性に優れており、高信頼性といった特徴がある。これまで、世界で初めて配線板内部にガリウムヒ素（GaAs）半導体を内蔵する技術を確立するなど、技術を高度化して販売実績を伸ばしてきた。