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日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
3月23日 |
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ローム |
ユニット |
電源・アンテナ・高周波部品 |
一般産業用 |
シリコンカーバイド(SiC)パワー素子のみ使用のパワーモジュール
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ロームは22日、世界で初めて全てのパワー素子にシリコンカーバイド(SiC)パワー素子を採用したフルSiCパワーモジュール(樹脂ケースタイプ)を開発し、今月下旬から量産を開始した。
まず、産業機械向けの定格電圧1200V/定格電流100A品から量産を始めた。1年以内に1700V/300Aまで定格を拡大、さらに高電圧、大電流化を図り、産業機械のほか、電気自動車/ハイブリッド車、電車、スマートグリッド送配電の市場ニーズに応える。
価格は現在シリコン(Si)絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)モジュールの3―5倍。数年以内に同2倍にまで引き下げ市場拡大を図る。
ローム本社工場(京都市)に月産能力数千モジュールの量産体制を敷いた。
山葉隆久常務は「SiCパワーデバイスは今後大きく伸びる事業だ。ロームの四つの成長エンジンのひとつであるパワーデバイスの主力製品として積極的に取り組んでいく。
11年3月期17億円、12年3月期35億円の見込みのSiC関連事業売上高を13年3月期50億円、15年3月期160億円にしたい。12年3月期400億円、13年3月期は前期比10%以上伸ばす計画のシリコン(Si)パワーデバイス事業と合わせてパワーデバイス事業を拡大していく」と言う。
新開発のフルSiCパワーモジュールは、同社が10年から量産を開始したSiC―MOSFETとSiC―ショットキーバリアダイオード(SBD)のペアを2ペア、素子数で10素子以上搭載したフルSiC品。SiIGBT、Siダイオードで構成した従来のSiIGBTモジュールに比べスイッチング損失を85%低減。SiIGBT、SiCダイオードで構成したSiCハイブリッドパワーモジュールと比べても81%スイッチング損失を低減した。低損失のため、熱の発生が少なく、冷却装置を小さくでき、機器全体の小型化が可能。
ロームではSiCパワーデバイス/パワーモジュールの生産拡大に向けて15年3月期までの3年間で累計10億円の設備投資を行う。SiC基板を生産するサイクリスタル社(ドイツ・ニュールンベルグ)はすでにSiC関連事業売上高160億円の生産能力を備えているため、SiCエピ成長を行うロームつくば(茨城県つくば市)に13年度後半に現在の4インチウエハーラインに加え、6インチウエハラインを導入。後工程を担当するローム・アポロ(福岡県八女郡)は現在の4インチラインに転用している6インチラインの追加SiC設備を倍増。京都本社工場のモジュール組立ラインも倍増する。
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