デジタルTV/IEコンテンツ配信用ハイブリッドSTB向けSoC

　ルネサスエレクトロニクスは、世界各国のデジタルテレビ放送とインターネットコンテンツ配信に対応するハイブリッドのセットトップボックス（ＳＴＢ）用システムオンチップ（ＳｏＣ）「Ｒ―ＨｏｍｅＳ１」を製品化し、５月からサンプル出荷を行う。サンプル価格は３千円。

　新製品は同社の統合ＳｏＣプラットフォームのホームマルチメディア向けシリーズ「Ｒ―Ｈｏｍｅ」の第１弾製品となった。量産は１２月からを予定している。

　Ｒ―ＨｏｍｅＳ１は、デュアルコアの「ＡＲＭ　Ｃｏｒｔｅｘ―Ａ９　ＭＰコア」を搭載。ハイブリッドＳＴＢ向けＳｏＣでは、業界最高水準のＣＰＵ性能となる５千ＤＭＩＰＳを実現し、同社従来品比８倍に高性能化した。

　直感的な操作を可能にする高品位なグラフィカルユーザーインターフェイス（ＧＵＩ）を実現するため、３次元グラフィックスエンジンも新規に搭載した。これにより、高機能Ｗｅｂブラウザなど様々な高負荷アプリケーションを高速に処理することができる。

　録画用、モバイル端末向け配信用にＨＤ（高精細）解像度対応の映像フォーマット変換器を搭載。またハイエンドのハイブリッドＳＴＢ用ＳｏＣで、世界最小となる２７ミリメートル角の小型パッケージと低消費電力を実現している。

　著作権保護の重要性から、有料放送の不正受信防止機能として、世界の主要なセキュリティベンダーの最新仕様に対応。そのほか、１ギガ／１００メガヘルツ　ＥｔｈｅｒＭＡＣ、ＰＣＩ　Ｅｘｐｒｅｓｓ、ＳＤＯＰインターフェイスなどを搭載し、高速インターネットや外付けデバイスによる無線ＬＡＮ対応が容易に行える。

　同社は、ＳＴＢ向けＳｏＣをシステムＬＳＩ事業の戦略製品の一つと位置付け、積極的に事業を推進。ＳＴＢ向けＳｏＣの累計出荷数は１１年２月に１億個を突破した。新製品でも、欧州衛星市場や中国ケーブルテレビ市場などで積極的に拡販を実施し、１３年６月に月産１００万個を計画している。