電波プロダクトニュース



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日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
2月4日 110204_02 ローム ユニット 入力・出力ユニット パソコン・OA機器・LAN用

寿命3-5倍の高耐久保護膜の厚膜サーマルプリントヘッド


 ロームは、低品質の感熱紙を使用した場合、課題となっていた厚膜サーマルプリントヘッドの寿命を、これまでよりも5倍の約50キロメートルに走行距離を延ばした高耐久保護膜の厚膜サーマルプリントヘッドを開発した。

  1月にサンプル出荷を開始し、3月から量産に入る。

  保護膜は熱伝導性が高く、印字効率を従来比で15%改善。保護膜形成工程数の削減でトータルコストダウンも実現した。三輪忠稔プリントヘッド製造部長は「サーマルプリントヘッド市場でも大きく成長している中国のシェアを今回の新製品で、現在の30%から50%以上に高め、トップシェアを目指す」という。

  厚膜サーマルプリントヘッドの耐摩耗を高めるため、これまではガラスを厚膜サーマルプリントヘッドのグレーズ表面と抵抗体上部にスクリーン印刷後、スパッタ法でシリコンカーバイド(SiC)系薄膜の保護膜を付けていた。

  今回、日本のガラスペーストメーカーと共同開発した硬質物質含有のガラスペースト材を、スクリーン印刷で厚膜サーマルプリントヘッドのグレーズ表面と抵抗体上部を全て覆い、保護膜として使用した。厚膜サーマルプリントヘッドの耐摩耗性を大幅に向上。スクラッチ破損や電解腐食の発生を防げる。

  低品質感熱紙で従来品10キロメートル程度だった保証走行距離を50キロメートルに延ばした。王子製紙製の感熱紙を使用した場合でも、従来品の保証走行距離50キロメートルを150キロメートルと3倍に延ばした。

  また、ガラスに含有している硬質物質が熱伝導性に優れることから保護膜の熱伝導性が高まり、これまでより少ない印加エネルギーで高品質の印字を可能にした。印字効率を従来品比約15%アップした。保護膜形成を1回のスクリーン印刷で行えるため、トータルコストダウンに結び付けた。

  従来品と互換性のある形状にし、プリンタの設計変更をせずに従来品から置き換えができる。補修用としても使える。

  印字幅80ミリ品をまず出し、3月までに56ミリ品、104ミリ品を加え、3品種でPOSシステム、EFT、CATなどの電子決済システム、信用照会端末機などのミニプリンタ市場に供給する。サーマルプリントヘッドの生産工場ローム エレクトロニクス大連(中国・大連)で当面、月産10万個体制を敷き、3月から量産を開始する。

  ロームでは今回の新製品を、低品質感熱紙の使用が多い中国をはじめとする新興国のほか、輸入低品質感熱紙の使用が始まった日本などの先進国にも積極的に拡販していく計画。

  三輪プリントヘッド製造部長は「サーマルプリントヘッドの中国での売上げが昨年から倍、倍で増えている。中国で現在第2位のシェアを早急にトップシェアにし、サーマルプリントヘッドの世界市場で50%以上獲得している数量シェアをさらに引き上げていく」と話している。


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